先進諸国においては、景観や街並みは公共の財産であるという理念が共有されており、そのうえで、まちづくりが進められています。成熟社会においては、「景観」がまちづくりの重要課題なのであり、たとえば、イタリアでは、憲法に景観保護が謳われているところです。
杉並は、その立地からも、高感度住宅地として、便利ながらも、住み良さを確保したまちづくりを志向する必要があると考えています。そのためには、いままで以上に、街並みや景観に配慮したまちづくりを考えていくことが必要です。
しかし、実際には、街並みを無視した建造物も目立つようになっています。また、色とりどりの看板や貼り紙などは、まちの活性化を象徴するものであり、一概に否定すべきものではありませんが、閑静な住宅街においては、地域に見合った景観を維持することも必要なことです。
このため、堀部やすしは、堀部やすしは、杉並区においても景観法に基づく「景観条例」を制定し、規定の整備を図らなければならないと考えており、早くから議会でも主張してきました。
景観法は、無秩序な中高層マンション建設や再開発計画に悩む自治体の先進的な取り組みに対し、法的根拠を与える待望の法律です。
景観法の施行によって、地方自治体は、その気になれば、まさに「地方政府」として、まちづくりに大きな裁量を発揮することができるようになりました。その第一歩として、地域特性を踏まえた景観条例の制定が必要です。
また、電柱の地中化も、真剣に検討していかなければなりません。これには多大なコストがかかりますが、これは景観対策という観点だけでなく、防災対策という意味でも重要です。電線を地中化することで、電信柱が地震で倒れることもなくなり、地震による回線切断リスクも、ほとんどなくなると言われています。
杉並区は、典型的な住宅都市です。都心にほどよく近い便利さにあわせ、適度な住み良さを確保していかなければ、将来の発展はあり得ません。その過程において、景観条例の制定は必要不可欠なものと考えており、早期制定を目指します。
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