杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし 議員一年生の議会見聞録(その2) 1999 |
これが議会のならわし? | ||
目次 | ||
会派とは? | ||
何でも決めてしまう幹事長会 | ||
幹事長会に参加できる会派 できない会派 | ||
個人を尊重しない議会運営 | ||
「政治は数」ではなく、「政治は議論」のはずだ |
会派とは? |
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議会では「数」の力がなければ重要ポストをとることができない。そこで、政党の垣根を越えて、「○○クラブ」「杉並○○」というような会派ができることもある。また、無所属で当選した人が政党会派に属するということもある。 少ない人数でバラバラに活動していると、議会運営上の権利が制限され、差別的な待遇を受けるというので、頭数を確保することを優先するわけである。
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何でも決めてしまう幹事長会 |
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「会派」ができると、議会ではさらに取引が活発になるようだ。少しでも良いポストに就きたいと思う議員は大勢いるのである。とくに、議長や副議長は、議員報酬も多く、魅力的なポストなのだそうだ。 ただ、昨今では、最大会派だけで過半数を抑えることが少ないため、他の会派とバランスをとるためにも、微妙な取引が重要になるようである。 こうした取引の際に大きな役割を果たすのが各会派の幹事長で構成される「幹事長会」である。
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幹事長会に参加できる会派 できない会派 |
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私は「生粋の無党派」なので、単独で会派を作って活動している(俗に言う「一人会派」)。議会では、皆が皆、徒党を組んでいるわけではなく、自分の他に組むにふさわしい人が誰もいない場合は、自分一人で会派をつくることになる(一人会派は他にもあります)。 こうして、私は一人とはいえ、会派のれっきとした代表者でもある。当然、円滑な議会運営を話し合うというなら、私も幹事長会に参加(または傍聴)する資格があってもよいはずなのである。 ところが、杉並区では、幹事長会は、あくまで「交渉会派」の代表者会議だという。誰が決めたのか知らないが、3人以上の議員で構成されている会派を「交渉会派」と名づけ、議会運営を交渉することのできる会派としている。
あくまで一般論だが、少数会派(構成員が1〜2名)は、それぞれ意見が異なるものの、総じて議会でも厳しい追及をする場合が多い。少数でもあえて自己の主張を掲げて活動しているのだから、それもそのはずだ。しかし、その結果、議会の多数派からは煙たがられてしまい、差別的な待遇を受けることになる。 長いものには巻かれろ、ということなのだろう。 |
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個人を尊重しない議会運営 |
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議員は、会期中だけでなく、日常的に常任委員会・特別委員会・各種審議会等に参加する。自分がどの委員会の構成員となるかは、今後の活動方針を決める上でも、きわめて重要なことである。
臨時議会に先立って行われた幹事長会のあと、少数会派の7人が議会事務局に呼び出された。 各自が所属する委員会を決めるためだという。そこでは、多数派が満足のゆく分配をしたあとに残った「余りもの」だけが提示された。 もちろん、希望通りの委員会には所属できないだろうと踏んでいた。しかし、提示された「余りもの」は、あまりにも偏りがあって、とても承服できるものではなかった。ハッキリ言って、ひどすぎるのである。 なんと、もっとも所管の多い「総務財政委員会」や、介護保険の実施を控えている「福祉保健委員会」には、空き議席がまるでなかった。それに対して、懸案が少なく、今回は人気のない「区民生活委員会」には4つもの空きがあった(定員は10人)。うるさい連中は、重要な議論に極力参加させたくないということなのだろうか。 こうして、多数派は談合し、幹事長会という法律や条例に規定のない機関で勝手な専制政治を行っているのである。 |
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「政治は数」ではなく、「政治は議論」のはずだ |
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民主政治の基本は、少数意見も尊重し、白日の下にみんなで議論することにある。そのうえで採決をとり、その場合は多数決で決めるというのが、ルールではないか。 「政治は数」というが、それは違う。「政治は議論」のはずだ。本当にトンでもない非常識がまかり通っているものだ。こんな非常識な慣例をいつまでも許していてはいけない。他の少数会派とも協議し、今後も根強く申し入れをしていく必要を感じている。
そういえば、国政では、小政党に不利だという理由で、小選挙区制を変えたがっている政党があったように思う。ところが、その政党は、逆に区議会では少数派を抹殺するのに協力しているのである。区議は大選挙区制だし、小勢力の意向など、どうでもいいということなのだろうか。 |
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