◆本会議(議事録)◆


情報公開制度 と そのあり方について


1999年秋





 区の情報公開制度と そのあり方について取り上げました。この高度情報社会にあっても、いまだにファックスや電子メールすら、まともに活用することのできない区の情報公開制度は時代遅れもいいところであり、以前より疑問に感じていたところです。

 とくに、新区政が、「現在の情報公開条例を見直す予定はない」という方針を打ち出したことは大問題でした。そこで、この質問では、現在の情報公開条例が抱えている問題を多様な角度から検証し、かなり時間をかけて問題点を浮き彫りにしました。幸いにして、質問後、賢明な区長は、
現在の情報公開条例を変える必要のあることを素直にお認めになり、現在では条例改正に向けての検討作業が始まっています。ありがたいことです。


  
 堀部やすし 区長選挙直後の定例会では、情報公開条例の改正は考えていないと言っていたが、今の条例には問題点が多い。区長は姿勢を改めよ。

 区長 現在では議員が指摘する「説明責任」という考え方を含め、新しい時代に対応した条例の見直しを進めていきたいと考えるに至っている。

 堀部やすし 他の市では、FAXや電子メール、フロッピーディスクによる情報公開に応じている。区の対応は時代遅れだ。

 区長 法的な面でどのような解釈が取れるのかという問題もあり、今後の検討課題とさせていただくが、早い時期に結論を出したい。





    ここから議事録です
 

 2番目の質問は、情報公開についてであります。今回は、これを区民の「知る権利」、それから行政の説明責任、そして区の情報提供のあり方、この3つをキーワードに沿って、また問題点を探ってみたいと考えております。そして、ここで、利用者の論理にたって運用されていない区の情報公開のあり方につきましても、その矛盾を明らかにし、改善を求めていくものであります。

 そこで、具体的な質問にはいる前に、少々長くなりますけれども、情報公開のあり方を論ずる上で、わかりやすい事例をあげて問題点を浮き彫りにしたいというふうに考えております。これは私が体験したことでありまして、8月の区民生活委員会でも、その一部を話題にしているところであります。

 私が所属しております区民生活委員会で8月に話題になったことの一つに、平成十年度杉並区広域商業診断報告書の問題がございます。この報告書、これは各議員の方にもお手元に届いているかもしれませんけども、この診断書の問題であります。この商業診断は、5年に一度、都区合同で実施しているもので、ことしに入って、400ページにもわたるこの報告書が提出されております。私は、この資料をいただいたときから、さまざまな面で疑問を抱きまして、独自に調査を繰り返し、さらに都と区それぞれに同じ内容で、正規の手続きにのっとって情報公開請求をいたしました。

 このとき、情報公開請求をした内容は、少々長くなりますが、平成十年度杉並区広域商業診断報告書作成にあたっての経費内訳書、支出命令書、請求書、見積書、精算書、領収書、口座振替依頼書、起案書その他関係ある全文書というものでありました。要するに、この資料をするに当たってどのくらいの作成経費が適切なものであろうかどうかということについて調査をしたいということで、具体的にかかった費用の内訳を明らかにする文書を提出してくださいという請求したわけであります。実際のところ、情報公開請求で文書が出てまいりました。都、区それぞれに文書が出てまいりました。この情報公開請求で明らかになった矛盾点の一つに、診断報告書、この冊子をつくるに当たっての印刷製本費の扱いがありました。

 かつて6月の区民生活委員会で、所管課長は、この商業診断にあたって区でかけた経費は約500万円であること、報告書そのものについては、つまり、この冊子については、500部を庁内で印刷したことなどを説明しておりました。また、この報告書の配布先につきましては、各議員の皆さん方、また各図書館、各商店会の会員であったという説明をしております。

 ところが、公開された資料を見てみますと、この資料、何と東京都も全く同じ内容の冊子を300部作成しているのであります。都の資料によれば、診断報告書の内容を商店会員に広く周知徹底させるために、これを300部作成したというのですけれども、先ほどもお話しいたしましたとおり、区でも、同じ目的で同じものを500部作成しているのであります。同じ内容の冊子であれば、わざわざ都と区で別々につくらずとも、一括して作成した方が経費は安く上がるはずでありまして、随分おかしなことをやるものだなと私は思いまして、情報公開請求してもいただいた区の資料をもう一度確認してみました。ところが、杉並区から提出された資料の中には、この診断報告書の印刷にかかった経費については何一つ情報がなかったのであります。これは、冊子の最後の方にも、区で庁内印刷をしているとはっきりと記載があります。

 私は、具体的にかかった経費の内訳を明らかにする文書を提出するよう正規の情報公開請求の手続きにのっとって、そして請求をしております。それに対して、杉並区からははっきりと文書で、公開しますという内容の通知をいただいているわけです。これは、請求した文書が不存在だったという通知でもありませんし、ましてや文書を非公開するという通知でもありません。区は文書の存在を認め、公開を決定したはずなのであります。

 さて、私はこうしたところから素朴な疑問を持ちまして、この件に関して、内容の面から少々8月の区民生活委員会で質問してみました。まず、私が、東京都でも同じ冊子を同じ目的で300部印刷しているという事実を告げてみました。すると、担当課長は、当初、区では報告書を500部作成した6月の段階では言っていた答弁を、弁解もなしに、実は杉並区では200部しか作っていなかったというふうに、突然発言を変えてしまいました。都の300部と区の200部であわせて500部をつくったということだったと訂正したのであります。

 腑に落ちなかった私は、念のため、この杉並区が作成した200部にかかった製本経費、これを200部つくったと言っていたわけですが、この製本経費、印刷経費は幾らかと問いただしてみました。すると担当課長からは、即座にそれは300万円であるという回答が返ってまいりました。いつになく実に明快な回答でありましたので、何かそれを証明する書類が存在するのだと思いまして、私は委員会終了後に不足分の資料が届くことを心待ちにしておりましたけれども、それは届くこともなければ、答弁を豹変させたことについても何ら釈明がありませんでした。

 そもそも、私は正規の手続きにのっとって情報を請求し、そして公開するというふうに回答をいただいたわけであります。このことについて、今のお話についても、これを会議録が残る委員会の場で指摘しているにもかかわらず、それでも情報を出してこないのですから、仕方ありません。私は異議申立書を提出し、改めてきちんと公開するよう求めました。

 さて、驚いたのは、その後です。公開すると通知しておきながら、実際に公開しなかったのは、ほかの誰でもない杉並区であります。ところが、私がそれについての異議申立書を提出し、状況を電話で問い合わせると、区政情報室からはまるで異議申し立てをするのがいけないことであるかのような居丈高な発言が返ってくる上に、この仕事を所管している担当課長からも異議申立を撤回してほしいというような旨お話を受けてしまったくらいであります。私はとにかく驚いてしまいました。

 さて、すったもんだのあげく、私は先日、区が提出漏れをしていたというこの資料をようやくのことで入手することができました。その中には、ここで問題にしている印刷費に関する資料も、ようやく情報公開ということで出てまいりましたが、何と、その書類は、浄書印刷依頼書という書類たった一枚であり、印刷に300万円かかったかどうかを証明する書類ではありませんでした。区政情報室の説明によれば、それでもこれで全文書ですというふうに言うものですから、しようがありません。私も余り騒いでもしようがありませんし、とにかく異議申立を取り下げてほしくてたまらないような感じでございましたので、これを取り下げることとしました。しかし、実際には、印刷に関する見積書もなければ納品書もない、もちろん領収書も出てきておりません。庁内で印刷した資料なので、細かい見積金額がとれないのかもしれませんけれども、だったら、請求した文書は完全には存在していなかったわけですから、私の情報公開請求への回答は、「公開します」ではなく、正確には「文書一部不存在」と回答すべきなのであります。

 しかし、私がそれ以上にこのテーマで問題にしたいのは、区の答弁の矛盾ぶりであります。先ほども指摘しましたように、委員会の席で担当課長は、この冊子、区でつくった分の印刷経費は、はっきりと300万円だと発言していらっしゃるのであります。はっきり支出を裏づける文書があったわけでもないのに、この印刷経費を300万円だとする答弁は一体どこから出てきたものなのでありましょうか。

 さらに言えば、後から出てきた資料によれば、区での印刷部数は200部ですらなく、たったの100部と記載がありました。かつて500部印刷したと言っていたものが、こちらが証拠を突きつけると、次には200百部になり、さらに証拠が出てきてみれば、たった100部にすぎなかったわけであります。言うことすべて、大うそ続きなわけです。

 ちなみに申し添えておきますと、東京都では、同じ報告書、外部委託で300部つくっておりますが、この印刷製本費は約93万円でした。一冊あたり3,000円強のコストであります。一方杉並区では、今回出てきた資料によって、庁内でこれを100部印刷したことが明らかになりましたけれども、この印刷経費は300万円だというのです。これは、一冊あたり3万円のコストがかかっていることになります。全く同じものを庁内で印刷するのに、民間の10倍ものコストをかけていることになります。幾ら何でもこんな明らかにうそとわかるうそはつかないものでありますが、今度は一体どう弁解するつもりなのでしょうか。

 区は、うそばかりついて、二転三転しても平気、また、区にとって都合の悪い資料は意図的に隠しても平気ということなのでしょうか。証拠は委員会記録にしっかり残っております。ぜひ、情報公開ナンバーワンを訴えている区長には、この実態をご確認いただきたいと思います。

 文書の公開を請求しても、公開漏れがあって平然としていたり、根拠のない答弁をしても謝るでなし、理事者の答弁が豹変したかと思えば、それもまたうそだったりと、私がたまたま議員で発言の機会が保障されていたからいいようなものの、これがごくごくふつうの区民の方であれば、うまくごまかされて終わりだったかもしれません。これでは、都合の悪い文書は見せない、都合の悪いことはうそをつく、これが杉並区というところだと思われても仕方がありません。

 区は、最近、区長交際費を100%公開したり、ホームページを作成して情報をオープンにするというようなことを発言していらっしゃいます。ところが、裏ではまるで臭い物にふたをするかのように、都合の悪いことは情報隠しをしているわけです。こうした姿勢が、区民の行政不信を増長させている原因になっているのではないでしょうか。区が保有する情報は区民共有の財産であり、区職員の専有物ではないのであります。こうした事件が実に短期間に一気に起こったわけですが、このあたりを区長はどう考えていらっしゃるのでしょうか。 先日の区長のご答弁によれば、理事者の答弁は、区長の答弁だと思ってほしいという区長のお話がありました。それでは、お伺いいたしますが、区は現在、区長もお使いになっていらっしゃる説明責任をきちんと果たしていらっしゃると言えるのでしょうか? ご自身の公約の重みを踏まえた上で、明確な答弁を求めます。

 さて、こうした実例を踏まえまして、それでは具体的な質問を進めていきたいと思います。

 さて、ことし、遅まきながら政府もようやく情報公開法をというものを制定いたしました。また、東京都でも、長年多額の手数料を取っていたことで悪名高かった公文書の開示等に関する条例を改正し、利用者の立場に立った情報公開条例をつくり出しております。まさに行政情報は一部の公務員の専有物ではないということが全国的にも明らかとなり、名実ともに民間との情報共有の時代が到来したと言うことができましょう。こうした意味では、情報公開を推進することを公約にして当選された新区長の誕生も、これは時代の流れにかなうものであると私は確信する者の一人でありますけれども、さて問題は、区でもそれが実行に移されるかどうかに移ってまいりました。

 ところが、杉並区では、新区長が誕生した直後の前回の本会議・一般質問の答弁で、あろうことか、現在の情報公開条例を見直すつもりはないなどと、実に後ろ向きの答弁しております。国や都の条例改正、全国的な情報公開推進の動きから見ても、これは少々問題であります。さらに言えば、前回の区の答弁は、情報公開の推進を一つのテーマとしていらっしゃった山田区長の公約とは相入れない矛盾した答弁であると考えますが、いかがお考えでしょうか、ご見解をお聞かせください。

 特に、土地開発公社やまちづくり公社、さんあい公社といった区の外郭団体や、また一部事務組合といったところの情報公開が、これは全国的にも遅れていることは今日問題となっております。中には、特別区競馬組合のように、不服申立を審査する機関を備えた情報公開条例を制定しているような先進的なところもありますが、ほかはまだまだであります。そこで、こうした出資団体、外郭団体、一部事務組合等の情報公開についてお尋ねしたいと思います。

 各出資団体は、行政とは別の法人格を持って事業を行っている、これは事実でありますが、しかし、杉並区が莫大に税金を投入している以上、出資団体の事務事業の是非を検討するための情報も、これは積極的に提供されてしかるべきであります。何といいましても、さきに指摘したような区の公社の中には、区の部長級職員がずらリと理事に並んでいるものや区職員が多数出向しているものなど、実質的には区の植民地のようなところになっているのであります。ここにお並びの理事の皆さん方がリーダーシップを発揮していただければ、情報公開はたやすいことであると考えます。そもそも、出資団体に投入されている公金が適切に使われているかどうかを検討するために必要な情報が積極的に提供されていないのは、やはりこれは問題であると考えますが、いかがでしょうか。

 今回の定例会には、二十三区すべてが参加することになっている清掃一部事務組合についての議案も上程されておりますが、議案を見る限りは、この一部事務組合の情報公開については、どうやらまだ明らかではないようにお見受けいたします。しかし、日の出の産業廃棄物処理場の問題に見られましたように、今、清掃事業への不信は高まっております。今回新しくできる二十三区の清掃一部事務組合についても、独自の情報公開条例を制定すべきだと考えておりますが、出資者になります杉並区のご見解をお尋ねいたします。

 ご存じかもしれませんけれども、都内の中では三鷹市や日野市などに、出資団体の情報公開を要請する規定があるところもございます。お隣の三鷹市の外郭団体などは、最近になってこれを具体化するための規則を制定し、こうした要望に応えようとしております。たいへんうらやましい限りであります。杉並区ではこのあたりについてもどう考えるのか、お答えをお願いいたします。

 それから、前回の定例会での区の答弁によれば、外郭団体にも情報公開条例の趣旨に沿った情報公開を指導しているとは言っております。それでは具体的にどのような指導をしているのか、また、その指導の結果、現在どのようになっているのかについてもお答えいただきたいと思います。

 さて、引退された青島幸男前都知事は、当初、青島は都政から隠しごとをなくしますという公約を掲げましたけれども、その後も東京都の隠し事は続き、何度も訴訟を起こされたあげく、相次いで敗訴するという、大変みっともないことになってしまいました。その青島前都知事の唯一と言ってもいいすばらしい置き土産が、先般新しく制定されました東京都の情報公開条例であります。この条例には、青島前知事のツルの一声で、条例の前文に「知る権利」という文言が盛り込まれたわけですけれども、全国的に見ても情報公開に後ろ向きで、みっともない事件が連続した、こんな東京都ですら、情報公開制度に大きな進展が見られている昨今であります。これが時流というものでありましょう。

 しかしながら、杉並区は、残念ながらこの時流に完全に乗り遅れてしまっております。杉並区はまだまだ情報公開の体制からしても完全とは言えませんし、だいたい知る権利すら条例に明記していない状況にあります。山田区長のめざせナンバーワンという公約がどこへ行ってしまったのか、現在の情報公開条例を改正する予定はないなどと答弁している現状であります。山田区長の選挙前の発言の勇ましさと比べても、発言の後退ぶりは少し残念であります。

 そこで、まず、区長の認識をただしておきたいと思いますので、都の「知る権利」という用語とその解釈について、まずお尋ねしたいと思います。

 これまで、この「知る権利」という概念には非常に多くの解釈があるという理由から、行政側はなかなかこの権利を認めようとしないところがありました。しかし、私見になりますが、学校で使われている文部省検定済みの教科書や実際の受験問題などにもどんどん出てきているこの用語が、実際の情報公開条例に盛り込まれていないというのは、時代錯誤も甚だしいところであります。もちろん、個人のプライバシーにかかわる部分にまで知る権利を乱用するようなことがあってはなりませんけれども、それ以外の区の情報は、何人にも知る権利があるはずであります。各地の自治体も続々とこの知る権利を認め、条例にも明記しているこのごろですけれども、この点について区長はいかがお考えでしょうか。ナンバーワンを目指すという区長の選挙前のご発言との整合性を判断させていただきたいとも考えておりますので、明確にお答えくださいますようお願い申し上げます。

 ただ、仮にこの知る権利をきちんと保障し、情報を積極的に公開することができたとしても、それだけでは不十分であります。区には、事務事業についてその内容を適切に説明する責任があるはずであります。この「説明責任」という用語は、区長も就任後、これまでの答弁の中で何度かお使いになっていらっしゃることですから、一定の取り組みを進めていらっしゃるかと思います。

 そこで、お尋ねいたします。区は行政の説明責任について、どのようにお考えでしょうか。また、現在、区は説明責任を果たしているとお考えでしょうか。さらに、説明責任を果たすために、現在、区はどのような取り組みを進めていらっしゃいますでしょうか。具体的にお答えください。

 さて、行政が説明責任を果たすためには、必要な文書、公文書がきちんと作成され、また保存されていることが大前提となります。ところが、先ほども指摘しましたように、杉並区では、コスト意識が異常なまでに欠如しており、印刷物を作成するに当たってかかった経費すら、明確に文書に残していないありさまであります。このようなことは民間では信じられないことであり、お役所仕事の最たるものであります。行政の効率化を進めていくためにも、こうしたことは当然改善していかなければなりません。

 北海道のニセコ町の情報公開条例では、文書が不存在の場合でも、新たに作成し、取得して公開することを利用者が求めることができる規定があります。本来あるべき経費の内訳を証明する書類がないというのは問題でありますが、現在の杉並区の条例では、区が新たにそれを作成したり証拠をそろえたり取得するという責務や義務は、一切規定されておりません。しかし、これでは、説明責任を果たしていることにはならないのであります。私は、杉並区の情報公開条例の中でも、区の責務として利用者の論理に立って適切に文書を作成し、管理し、もしそれができていない場合は、新たにそれを作成する義務があることを明記しておくべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

 私が、こうした説明責任にこだわりますのは、それが情報公開制度と非常に密接な関係にあるからであります。現在、区の条例では、情報公開について定めがあるものの、行政の説明責任については言及が弱い状況にあります。しかし、区民の知る権利と、行政の説明責任は、これは表裏一体のものでありまして、情報公開制度は、区民の知る権利と、行政の説明責任を果たすためにも、重要な制度となっているわけです。情報公開と同様に、常に説明責任についても、ご配慮をお願いしたいと思います。

 次に、情報提供のあり方について、お尋ねいたします。まず、情報提供の行い方について取り上げます。

 最近では、行政文書の多くがパソコンやワープロで作成されているはずです。そして、そのデータはハードディスクやフロッピーディスクなどの磁気ディスクに記録されているはずであります。せっかく電子データとして磁気ディスクに入っている情報なら、これをフロッピーディスクで交付するという方法をとった方が、手間も費用もかからないはずであります。実際に現在でも、情報公開をして何枚もコピーを取る羽目になるのは、費用がかかって仕方がない状況であります。

 例えば、先日私が頂いた前回の定例会本会議の議事録などは300百ページ近くにもなるものでありますが、これなどはフロッピーディスクならば2枚ですっぽりおさまってしまいます。こちらにあります報告書も、フロッピーディスクならば2枚でおさまってしまう程度のものであります。また、最近一番よく使われております640メガバイトのMOディスクであれば、こうしたものも、何と200年以上もの議事録、またこうした書類を一挙におさめることができるくらいであります。フロッピーディスクは今一枚50円で買えます。大容量を誇るMOディスクといえども一枚500円から600円で一枚買えてしまう時代であります。紙に出して印刷するよりもはるかに安上がりで済む。省スペース、省エネルギーでもあり、よいことずくめであります。

 費用や保管場所の問題もさることながら、フロッピーディスクやMOディスクで写しを交付していただければ、例えば過去の予算書や決算書についても、非常に膨大な数字の羅列の中からある特定の項目を探し出したり、金額の大きい順に並び替えたり、各年度で比較を行ったりということが、実に簡単にできるのであります。もちろん、区民のだれもがコンピュータを使っているというわけではありませんので、もちろん紙での情報提供は重要でありますけれども、フロッピー・ディスクでの写しが可能であるものについては、どんどんこれに応じられるようにしていくのが時代の要請というものであります。

 ところが、この杉並区の条例には、こうしたフロッピー・ディスク等による情報提供は、まだハッキリと条文化されていない状況にあります。区長が杉並ナンバーワンを目指しているというならば、国や都におくれをとっているこうした部分についても、明確に改善していただきたいと考えております。

 続いて、情報公開請求を、その手続の面から問題にしたいと思います。

 新しくできました情報公開法の第四条には、行政機関の長は、開示請求書に形式上の不備があると認めるとき、開示請求した者に対して補正を求めることができるとあります。ただ、その場合においても、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならないとあります。要するに、利用者の立場に立って行政も積極的にサービスに努めなさいという規定であります。情報公開を請求するごく普通の区民は、自分の知りたい情報がどのような形で区に保存されているか、知るわけがありません。このため、つい的外れな請求書を書いてしまい、知りたい情報を入手することができないということが予想されます。これについて、職員が積極的に区民の手助けをしていくことは、当然の行政サービスでありましょう。こうした理由から、国は、情報公開法でもさきの第四条の規定を盛り込んだわけですが、ここでも区の条例は国の法律よりもおくれをとっております。いかがお考えでしょうか。

 といいますのも、杉並区の情報公開条例では、公開された情報は適切に使用しろと、まるで情報公開制度を利用する者を脅迫するかのようなことが書いてある反面で、利用者の利便を図ることは何ら規定されていないわけです。請求するにも平日の昼間しかできず、しかも西棟二階の隅の、そのまた奥の、実にわかりにくい場所まで足を運ばなくてはなりません。しかも、そこへ行ってみると、担当の職員がおしりを向けて仕事をしており、利用者が声をかけなければ振り向いて応対もしてもらえないというようなありさまであります。そこには、情報を伝えるために区民にサービスをしているという感じはみじんも感じられません。何も横須賀市で行われている役所屋のように、「いらっしゃいませ」と言えとは言いませんけれども、こんな非常識な体制は、今どき民間では考えられないことであります。

 区長は職員に、電話では自分の名前をきちんと言うようにとか、きちんと名札をつけるようにとか、まるで小学生を相手にしているかのような指導をしていることを、広報の一面に載せていらっしゃいますけれども、区長が本当に民間の感覚を取り入れるというのであれば、こうした情報公開の基本的なあり方についてもご留意いただきたいと思うわけであります。

 そこで、こうした情報公開請求手続の面からも、何とか情報公開請求の不便さを解消する手だてを検討していかなければならないと考えております。

 例えば、すでに、奈良市・大和郡山市・天理市ではファクスによる情報公開請求が認められておりますし、ほかでもこれを認める動きが今進んでおります。東京都でも、普通の都民はそういうことではだめだと言いつつも、外資系企業にはファックスでの請求に応じたということが過去にありました。このように技術的に可能なことをどういうわけかやらないというのは、行政の怠慢というものであります。最近では電子メールで請求を可能にしようという、そういう検討を始めているところもあるくらいでありますから、区も早くファクスでの請求を制度として認めるべきであります。

 また、近く区のホームページも開設されますが、そこで区や区長にとって都合の良い、いわゆる大本営発表情報ばかりを掲載するのも、それはそれで結構ですけれども、情報公開を逆に求める区民にも、ぜひ、こうした電子メールを使ってアプローチをとることができるようにご配慮をいただきたいと思います。今後ファクスや電子メールでの情報公開請求に応じるお考えはありますでしょうか、ご見解をお伺いいたします。

 次に、審議会や各種委員会、懇談会などの情報公開についてお伺いいたします。

 まず、審議会や各種委員会などにつきましては、原則公開が義務づけられているはずであります。しかし、公開していればそれでよいというものではないはずです。公開していたとしても、会議があることを区民に積極的に宣伝し、伝えていかなければ、公開されている意味がないわけです。

 そこで、お伺いいたしますが、こうした会議が開かれるに当たって、一体区ではどのように広報されていらっしゃいますでしょうか。お尋ねいたします。少なくとも、私のところには、こうした情報がほとんど入ってきておりませんし、同僚議員に尋ねてみましても、なかなか情報が入手できないというのが現状であります。もっともそれは、悲しいかな、私が一人会派だからかもしれませんけれども。

 例えば、区長の肝入りでスタートした21世紀ビジョン審議会にしても、一体委員がだれで、一体いつ開かれているのやら、我々議員ですら、一々問い合わせしなければ教えてくれないわけですから、多くの区民の方はさらに情報不足の状態に置かれていることでありましょう。実際に私のところにも、審議会は一体いつ開かれるんだという問い合わせがありますが、私も答えに窮してしまうわけであります。このあたりをどうお考えてなっていらっしゃるのか、あわせてお答えください。

 杉並区も、情報公開ナンバーワンというのを目指すのであれば、こうしたものを積極的に提供していくべきであります。会議録なども、もっと積極的に公開していくべきだと思います。しかし、実際には、簡単に会議は秘密会にできてしまうようですし、議事録、会議録にしても、何やら箇条書きの要約集にすぎないものが見られます。区民との協働を求めるのであれば、区民に対して意思形成のプロセスについても正確に情報を公開していくべきであります。このあたりもどのようにお考えでしょうか。

 次に、国や他の自治体や団体に関わる情報の開示につきまして、お尋ねいたします。

 杉並区情報公開条例の第六条によれば、杉並区が保有している情報の中で、国や他の自治体、団体などがつくった情報については、杉並区との協力関係、信頼関係が損なわれるようなことのないように、情報を意図的に隠してもよいという規定がございます。まず、これまでにこの規定が適用され、実際に情報が非開示とされたことがあるのかどうか、また、それはどのような内容であったかについてお尋ねをいたします。

 さて、この規定、悪く利用してしまいますと、区にとって都合の悪い情報を、協力関係、信頼関係にマイナスという理由をつけるだけで何でも隠せてしまうことにもなりかねません。実際に東京都はこの規定を使いまして、次から次へと情報隠していったわけですけれども、ご存じのとおり、裁判では連戦連敗でありました。

 大体、国であろうと他の自治体のものであろうと、原則として行政情報は全国民が共有すべきものでありますし、それが仮に民間の情報であっても、公金が絡んでいるものについては、説明責任を負っていくべきものであります。先ほど指摘した東京都が訴えられた裁判においても、東京高裁は、協力関係、信頼関係というのは客観的に合理性を持ったものでなければならないという判決を下しております。協力関係を著しく損なうなどという、当事者間の手前勝手な主観で情報隠しを認めるような規定は、行政の説明責任という観点からもそろそろ削除すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 申し添えておきますと、東京都も、この判決に懲りて恥を知ったのか、先般新しくできました情報公開条例には、この規定はなくなってしまっております。杉並区は、山田区長が当選した後も、この規定が残ったままになっている現在の情報公開条例を大切にしていくというお話でありますけれども、今後の方針をお伺いいたします。

 最後になりましたが、文書管理と情報公開のあり方について、お尋ねしておきます。

 率直なところ、杉並区の情報公開は積極性に欠けており、また効率も悪いという感想を持っております。このあたりについていかがお考えでしょうか。

 神奈川県逗子市では、情報公開請求を受けて公開された文書については、以後、情報公開の担当課がその文書を保管しているといいます。一度公開が決定された公文書は、以後わざわざ面倒な公開請求をして待たされることは基本的にはなく、だれでもすぐに閲覧し複写することができるのであります。また、今回新しくなる東京都の情報公開条例でも、一定の条件の範囲内ではありますが、何度か情報公開請求が出されたものについては、すぐに情報提供できるように整備していくとのようであります。

 ところが、杉並区はどうでしょうか。私の周囲でも、聞くところによれば、ほかの方が以前既に情報公開請求をし、公開されたことがある内容のものであるにもかかわらず、区はしっかりと14日間待たせるということが平然とまかり通っているようであります。文書管理のあり方とあわせて再検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 情報提供、情報公開の迅速化、効率化にむけて区ではどのような内部努力をしているのか、最後にお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。率直なご答弁を期待しております。

   

 理事者の答弁 


  区長

 堀部議員の一般質間にお答え申し上げます。

 私からは、情報公開に関するご質問のうち、情報公開条例の見直しにっいてお答え申し上げますが、情報公開の基本的な考え方は、もちろん憲法で規定されていることからも推測される知る権利というのも一つでしようし、やはリ区民の税金で集めた行政情報というのは区民のものであるという基本的な考え方に、私は立っていきたいと考えておリます。

 現在の杉並区の情報公開条例に関するいろいろなご指摘がございまして、ご案内のとおリ、杉並区の情報公開条例は、二十三区の中でもかなリ最初の方に、先進的な事例として区議会でご議決をいただき、個人情報保護条例とともに、一体化した形で、区議会の良識を集めてつくられたものと私は認識をしておリます。しかし、昭和60年にできたこの条例も14年間が経過をしておリまして、今いろいろとご指摘をいただいた、新しい時代に対応した見直しは必要だと、こう考えておリます。

 とリわけ、先般成立した情報公開法や都の条例等との整合性を図るという必要もあリますし、今後、この杉並区の情報公開条例については見直しを進めていく必要があると考えておリます。主な見直しの視点については今後至急検討してまいリますけれども、今ご指摘がございました説明責任というものについて、その内容についてきちっと明文化をしていくということが大事でしょうし、また、第三者保護に関する手続等についても規定の整備が必要だ。また、今ご指摘ございましたように、出資をしている法人等についての情報公開というものについても検討課題だろう、こういうふうに諏識をしておリます。そういう点で、今後、ご指摘の点も含めまして、情報公開条例について、時代に合わせた見直しを進めていきたいと考えておリます。

 残余の質問につきましては所管部長からご答弁申し上げますけれども、今ちょっとお聞きしておリまして、21世紀ビジョン審議会がいつ開かれているかわからないというお話でございましたけれど、まだ開かれてございませんので、その点については、担当の方へお聞きになっていただければすぐわかると思います。




 理事者の答弁(続き)


 生活経済部長


 情報公開に関するご質問の前段で、広域商業診断報告書を例示してのお尋ねがございました。お話の印刷経費につきましては、細部を確認いたしまして、誤解のないよう、もう一度整理して所管委員会にご報告をいたしたいと存じます。


 区政情報室長

 次に、情報公開についてのご質問にお答えをいたします。

 まず、情報公開請求に対して情報が出てこないことをどう考えるかとのご質問ですが、情報公開を求める区民の権利が十分尊重されるよう、条例の運用に当たっておリます。しかし、公開請求に当たリ、公開してほしい事項に関し、その全文書といった記載がある場合、全文書を公開することを原則としておリますが、その関連する文書の範囲のとらえ方に難しさもあリます。請求者の意図を十分把握し、今後とも漏れのないよう情報公開に努めてまいリたいと存じます。

 次に、説明責任についてのご質問ですが、説明責任につきましては、区政の主権者である区民に対し、区がその諸活動の状況を具体的に明らかにすることは大切な責務であると認識いたしておリます。現在、施策の実施や重要な計画等につきましては、広報等を通じ、また、区民への説明会の開催等によリ、行政の説明責任を果たす努力をいたしておリます。今後とも説明責任を果たすべく、区のホームページの活用など新たな手法を取リ入れながら、その充実に努めてまいリたいと考えておリます。

 区の外郭団体の情報公開に対するご質問ですが、区が出資している公社等の情報公開は必要と考え、区としてその規定整備を指導してきたところでございます。そこで、公社等につきましては、既に情報公開の規定を定めておリますが、さらに情報公開制度の趣旨を徹底すべく、公社職員との会議を開催し、その趣旨の徹底に努めているところでございます。

 知る権利の質問にお答えをいたします。知る権利は憲法第ニ十一条等から論じられますが、情報公開の請求権として、これを認める趣旨の条例の制定があって初めて創設される権利であると考えておリます。

 紙によらない情報提供、情報公開についてのご質問ですが、今後、情報化の進展に対し、インターネットやホームべージによる情報提供の充実に努めてまいりたいと考えております。
 なお、フロッピーディスクによる情報提供や、ファクスや電子メールでの情報公開請求につきましては、今後の研究とさせていただきたいと存じます。

 情報公開法第四条第二項のご質問ですが、この条項は、行政機関の長が適切な情報提供を行うことによリ、行政文書の特定を援助し、情報公開制度の円滑な運用を図るためと理解しておリます。

 区の審議会等の情報提供や情報公開、会議録についてのご質間ですが、現在、審議会等の会議または会議録は原則公となっておリます。また、審議会等につきましての情報提供につきましては、今後は、できるだけ早く区民に知っていただけるよう、ホームぺージの活用等を通じ概要をお知らせするなど、情報提供の充実に努めてまいリたいと考えておリます。

 条例第六条第一項第四号のご質問ですが、この条項を適用して非公開としての処分決定したものは、過去に十一件ございます。この条項は、情報の性質上、公開することによリ、相手方である国や他自治体の円滑な事務事業の執行を妨げるなど、相手方に何らかの支障が生じる情報について非公開とするものであリ、必要な条項と考えておリます。

 文書管理と情報公開の結びつきについてのご質間ですが、情報公開条例では、情報の検索に必要な資料を作成し、一般の利用に供することになっておリますが、現在、情報の検索に必要な資料は文書分類表としておリ、文書管理に結ぴつけて運営をいたしておリます。

 最後に、情報公開の迅速化の質問でございますが、条例では、原則として請求後14日以内に可否を決定し、請求者へ通知することになっておリます。しかし、できるだけ迅速な公開に向け、努力しているところでございます。

 私からは以上でございます。


 環境部長

 清掃一部事務組合の情報公開条例についてのお尋ねですが、区としましても、清掃一部事務組合にかかわる情報の積極的な公開は必要であると考えています。また、現在、清掃一部事務組合の準備組織においても、情報公開条例制定の方向で検討を進めているところでございます。



 (堀部やすし再質問)



 大変たくさんの質問にお答えをいただきまして、あリがとうございました。少しぜいたくにたくさんやリ過ぎまして、大変時間がかかっておリますので、簡潔に終了するようにいたします。

 まず、区長の方からのご答弁の、情報公開の方からお伺いしますが、6月の定例会では、確かに情報公開条例は見直しの考えがないというふうにお答えにあリましたものですから、ご質問をさせていただいた次第でございます。この9月になって突然見直しが必要というのも変な話だなと、だったら6月から言っていただけれぱよかったのになと率直に思っておリます。

 ちなみに、情報公開法は5月に制定されたものでございまして、6月の段階でも、まあ法律が変わったし、区でも変えていく必要があると認識していてもおかしくないようにも思いますけれども、突然また見直しを考えるというのはどういうことなのか。前回の発言との整合性という意昧からも、ご説明をいただきたいと思います。それから、21世紀ビジョン審議会の開催云々がありましたが、私は別に21世紀ビジョン審議会の開催云々を言ったのではなくて、要するに、そういった審議会が、いつ、どこで開かれているのかということを、こちらから積極的に聞いていかないと情報が出てこないということを問題にしているわけでして、先ほどのお話でもあリましたけれども、私などには、21世紀ビジョン審議会が開かれているのか開かれていないのかも情報がなかったというのが現実なわけです。聞いていけぱわかるというのは、それはそのとおリかもしれませんけれども、そういうことで果たして、本当に情報を提供している、公開していると言えるのかどうかということを問題にした次第であリますので、そのあたリについても再度ご答弁をお願いいたします。

 それから、質問した中に、説明責任を果たすためにどうしているかということの一環で、実際に存在していない文書について作成義務を設けるような、説明責任を果たす上でも作成義務をつくっていく必要があるんじゃないか、当然、説明するための資料として必要なんじゃないかという質問をさせていただきましたが、その辺はいかがでしようか、お答えをお願いいたします。

 それから、この電子化が進む時代に、ファクスや電子メールでの情報公開請求については今後の研究課題だと言っていますけれども、既にもうスタートしているところもあるわけでして、ナンバーワンを目指すというのであれば、今後の研究などと言わずに、できるだけ早い時期に実施をしていただきたいと思うわけです。技術的にはこれは不可能なことではないはずであリますので、これは単にご決意にかかっているのではないかと思いますが、いかがでしようか。

 それから、情報公開条例の第六条第一項四号を適用した事例は過去に11件あったというお話です。もちろんこの規定、必要あるという解釈もあるかもしれません。あるかもしれませんが、では、一体どういった基準でこういうものを適用していくのかということについてお考えをお聞きしたわけですから、これをご答弁いただきたいと思います。

 それから、情報公開まで最大14日かけられるわけなんですが、実際にその情報の出し方、整理の仕方いかんで、先ほども指摘しましたが、神奈川県の逗子市なんかのように、すぐに迅速に出せるように整備をとっているところも実際にはあるわけですので、これは今後どのように文書を管理するかという問題の上で考えていただきたいわけで、努力していますというのは、そのとおリかもしれませんけれども、では、今後、文書管理なんかについてどう努力をしていくのかということについて、ご答弁をいただきたかったわけでございます。


 私の再質問に対する理事者の答弁
 


 区長

 堀部議員の再質問にお答え申し上げます。

 前回の定例会のときに、情報公開条例の見直しについて否定的な答弁だったけれども、なぜ変わったんだということなんですが、前回のご質問及びご答弁は、たしか富沢議員からのご質問でございまして、その内容は公社等に関する情報公開に関しての条例改正の視点でございまして、その点も含め、もっと広い意昧で改正をしていく必要があると考えるように至ったということでご理解いただきたいと思います。やはリ、常に万全を期してやっていきたいと思いますので、これからも、議会のご議諭を踏まえながら進めていきたいと考えておリますので、よろしくご理解いただきたいと思います。

 それから、21世紀ビジョン審議会というものも含めて、審議会等の情報公開のお話がございました。いつ、どんな、きょうどういうものが開かれているかということについては、1階のところに毎日掲示をしてあるわけでございますけれども、今後そういうものについても、どういう予定かということについて、わかるものは何らかの形で、難しい面もあリますけれども、きちっと公開していかなければなリませんが、とリわけ21世紀ビジョン審譲会なども含めた、区民の皆様の大変関心の強いものについては、21世紀ビジョンという名にもふさわしく、その内容についてはインターネット等も含めて適時公開をしていく、またご意見をいただいていくという体制を整えつつ、こういう問題にも対応していきたいと考えておリますので、ご理解いただきたいと思います。


 私の再質問に対する理事者の答弁(続き)


 区政情報室長


 それでは、再質問にお答えをいたします。

 最初に、不存在文書について新たに文書を作成すべきではないかというようなお話がございましたが、管理状態が悪くてなくなってしまうという場合もあリますけれども、何らかの特別な事情で紛失してしまうというケースもございます。もとの状態に戻した形で作成ということは、実際には考えられません。したがって、現在も、不存在の文書については、不存在であるということにっいて回答しますと、審査請求が出て、なぜ不存在になったのかということを所管に審査会の委員が言及をしておリます。したがって、不存在であるからといって安易に再度文書を作成するということは、いろいろ問題があろうかと思いますので、新たに文書を作成するということは考えておリません。

 それから、FD等を今後できるだけ早い時期にということですが、ファクスでの請求とかいろいろご要望があリましたけれども、法的な面でどういうような解釈がとれるのかというようなこともございますので、今後できるだけ検討をし、早い時期に結論を出していきたいと思っておリます。

 それから、非公開の六条の一項四号についての基準はどのような基準を適用しているのか、その考え方をということですが、基本的に、その情報を公開することによって相手方にとって大変不都合が生じるというようなことが基本的な考え方でございます。例えば、国等から出された文書を公開することによって、国にとってその考え方等が一般的に知られることが問題があるとか、あるいは警察で、捜査のために私どものところに情報公開請求が来る場合もございます。そういうものを安易に公開してしまいますと、何のために情報公開を警察が求めたのかということが相手方にわかることによって、いろいろな問題に波及してくるということもございますので、こういう問題等については、機関間の情報としてやはリ非公開にせざるを得ないということがございます。

 それから、文書等の検索の迅速化ということですが、現在文書分類表によってやっておリます。それが適正に保管されていれぱ瞬時に出てくるわけです。ただ、入れる場所を間違えたリとか、あるいは複数のものにまたがるような文書があったリしますので、あるいは、文書の請求によリましては、所管課がいろいろなところにまたがるというケースもございますので、やはリある一定の期間、どうしても公開するまでに時間がかかってしまうということがございます。したがって、今の文書分類による文書管理は変える予定はございませんけれども、できるだけ迅速に公開請求に応じられるように努力をしていきたいと考えておリます。


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