杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線2003/3
  新「ポイ捨て」「歩きたばこ」「落書き」「犬のフンの放置」禁止条例
杉並区「安全美化条例」全文掲載
※すでに審議が終了し、可決しました。今後の課題は、こちら

 現在審議中の「安全美化条例」(正式名称は、杉並区生活安全及ぴ環境美化に関する条例)について、全文を掲載します。

 この条例は、昨年12月に私も委員の一員である区民生活委員会において、「安全・安心のまちづくりのための新条例が必要」とする意見が賛成多数で採択され、今回の条例化につながっています。

 マスコミでは「歩きたばこ規制」ばかりが取り上げられますが、もう少し幅のある条例であることを以下の成案でご理解いただければと思います。



 実際には、まだ運用面での課題が多々残っていますが、条例文そのものは、賛否双方の主張を考慮し、現実に着地点を持ったものであり、概ね妥当な成案になったと判断しています。

 ただし、罰則の設定(→第19条と第21条)については、ポイ捨てした者に規定がある反面で、自販機等が設置されている場所に回収容器をおかなくても、設置者に対しては罰則規定がないといった課題も残っており、私は議会でもそのバランスの悪さを話題にしているところです。

 条例の施行にあたっては、これを踏まえ、ポイ捨て行為が起こらないような基盤整備に取り組み、万全を期して施行することが重要と考えています。


 杉並区生活安全及ぴ環境美化に関する条例

 清潔で美しい杉並区をみんなでつくる条例(平成十年杉並区条例第十八号)の全部を改正する。


(目的)
第一条 この条例は、生活安全及ぴ環境美化について必要な事項を定めることにより、生活安全及ぴ環境美化に関する区民等及ぴ事業者の意識の高揚に努め、その自主的な活動を支援するとともに、地域の犯罪の防止及ぴ環境美化の促進を図り、もって安全で快適な杉並区(以下「区」という。)をつくることを目的とする。


(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 一 区民等  
区民(区内に居住する者をいう。以下同じ。)及ぴ区内に滞在し、又は区内を通過する者をいう。
 二 事業者  区内において、事業活動を行うものをいう。
 三 関係行政機関  区の区域を管轄する警察署、消防署、国道及び都道の管理事務所その他の行政機関をいう。
 四 吸い殻等  たばこの吸い殻、チューインガムのかみかす、紙くずその他これらに類する物をいう。
 五 空き缶等  飲料、食料等を収納し、又は収納していた缶、瓶その他の容器をいう。
 六 公共の場所  道路、公園、河川、駅前広場その他の公共の用に供する場所(屋外に限る。)をいう。
 七 落書き  公共の場所及ぴ他人が所有し、占有し、又は管理する建築物その他の工作物を、みだりに塗料等により汚損することをいう。


(区の責務)
第三条 区は、この条例の目的を達成するため、次に掲げる事項について必要な施策を実施しなければならない。

 一 区民等及ぴ事業者の生活安全及ぴ環境美化に関する意識の啓発
 二 区民等及び事業者の行う生活安全及ぴ環境美化に関する活動の支援
 三 安全で快適な地域社会をつくるための環境の整備


(区民等の責務)
第四条 区民等は、相互に協力して生活安全の確保及ぴ現境美化の推進に努めるものとする。

2 区民等は、次に掲げる事項をしてはならない。

 一 吸い殻等及ぴ空き缶等をみだりに公共の場所に捨てること。
 二 落書きをすること。
 三 自己の所有し、又は飼養(保管を含む。)する犬のふんをみだりに公共の場所に放置すること。

3 区民等は、次に掲げる事項に努めなけれぱならない。

 一 公共の場所を歩行中(自転車乗車中を含む。)に喫煙をしないこと。
 二 吸い殻入れが備え付けられていない公共の場所で喫煙をするときは、携帯用吸い殻入れを携行し、これを使用すること。

4 区民等は、自動車(原動機付自転車を含む。)及ぴ自転車、家具、電気器具その他の粗大ごみをみだりに公共の場所に捨ててはならない。

5 区内の土地又は建築物(以下「土地等」という。)を所有し、又は管理するものは、当該土地等を不良な状態(みだりに草木を繁茂させ、又は廃棄物を放置すること等により、当該土地等の周辺に居住する者の健康の保持若しくは生活環境の保全又は防犯上支障を生じるおそれのある状態をいう。)にしないように、適正に管理しなければならない。

6 区民等は、この条例の目的を達成するため、区及び関係行政機関が実施する施策に協力しなければならない。


(事業者の責務)
第五条 事業者は、区内に有する事業所の周辺その他事業活動を行う地域において、生活安全の確保及ぴ環境美化の推進に努めなけれぱならない。

2 吸い殻等及び空き缶等の散乱の原因となるおそれのあるたばこ、飲料等の製造、加工、販売等を行う事業者は、吸い殻等及ぴ空き缶等の散乱を防止するため、区民等に対する意識の啓発に努めなければならない。

3 空き缶等の散乱の原因となるおそれのある飲料、食料等の販売を行う事業者は、販売場所(自動販売機の設置場所を含む。)に空き缶等の回収容器を設置し、これを適正に管理しなけれぱならない。

4 事業者は、看仮、立札、ポスターその他これらに類する物をみだりに公共の場所に放置してはならない。

5 事業者は、この条例の目的を達成するため、区及ぴ関係行政機関が実施する施策に協力しなけれぱならない。


(関係行政機関の責務)
第六条 関係行政機関は、この条例の目的を達成するため、区が実施する施策に協力するものとする。


(区民の自主的な組織活動への支援)
第七条 区長は、生活安全の確保及び環境美化の推進に関する区民の自主的な組織活動を支援することができる。


(安全な地域社会をつくるための環境の整備)
第八条 区長は、共同住宅、大規模な店舗その他の規則で定める建築物(以下「共同住宅等」という。)について、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)に基づく確認申請を行おうとする建築主に対し、防犯設備の設置について、あらかじめ、当該共同住宅等の敷地を管轄する警察署と協議をするよう指導するものとする。

2 区長は、街路灯の整備その他の生活安全に係る環境の整備に努めなければならない。


(ビラ等の散乱の防止等)
第九条 何人も、屋外広告物(第三項に掲げる文書図画を除く。)を掲出し、又はビラその他の宣伝用の物品(以下「ビラ等」という。)を配布するときは、まちの景観及ぴ通行の安全を害してはならない。

2 公共の場所において、ビラ等を配布し、又は配布させたものは、そのビラ等が散乱したときは、速やかにこれを回収し、当該公共の場所の清掃を行わなければならない。

3 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)に基づき撤去すべき期日等が定められている選挙運動用又は政治活動用の文書図画を掲示した者(掲示責任者を含む。)は、当該期日等までに、当該文書図画を撤去しなけれぱならない。


(生活安全・環境美化推進モデル地区)
第十条 区長は、吸い殻等及び空き缶等の散乱が著しく、又は屋外広告物が放置され、かつ、特に生活安全の確保及ぴ環境美化の推進を図る必要があると認められる地区を、生活安全・環境美化推進モデル地区(以下「推進モデル地区」という。)として、指定することができる。

2 区長は、推進モデル地区において、関係行政機関の協力を得て、第三条各号に掲げる事項を重点的に実施するものとする。

3 区長は、推進モデル地区を指定しようとするときは、当該推進モデル地区の区民及び区内に滞在する者の意見を聴くとともに、当該推進モデル地区を管轄する警察署と協議するものとする。

4 区長は、第一項の推進モデル地区を指定したときは、その旨を告示しなけれぱならない。

5 前二項の規定は、推進モデル地区を変更し、又は解除する場合について準用する。


(路上禁煙地区)
第十一条 区長は、特に必要があると認める地区を、路上禁煙地区として指定することができる。

2 前項の指定は、終日又は時間帯を限って行うことができる。

3 路上禁煙地区においては、道路上で喫煙する行為及ぴ道路上(沿道の植裁帯を含む。)に吸い殻を捨てる行為を禁止する。

4 区長は、路上禁煙地区を指定しようとするときは、当該地区の区民及び区内に滞在する者の意見を聴くとともに、当該路上禁煙地区を管轄する警察署と協議するものとする。

5 区長は、路上禁煙地区を指定したときは、その旨を告示しなければならない。

6 前二項の規定は、路上禁煙地区を変更し、又は解除する場合について準用する。


(指定の見直し)
第十二条 第十条第一項の推進モデル地区及ぴ前条第一項の路上禁煙地区の指定の見直しは、一年ごとに行うものとする。


(協議会の設置)
第十三条 生活安全及ぴ環境美化に関する施策の実施に関し、区長の諮問に応じて調査審議するため、杉並区生活安全協議会(以下「協議会」という。)を置く。

2 審議会は、生活安全及ぴ環境美化に関する事項について、区長に意見を述べることができる。


(協議会の組織)
第十四条 協議会は、次に掲げる者につき、区長が委嘱する委員二十人以内をもって組織する。
 一 区民
 二 学識経験者
 三 関係行政機関の職員

2 委員の任期は二年とし、再任されることを妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。


(協議会の会長)
第十五条 協議会に会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 会長は、協議会を代表し、会務を総理する。

3 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。


(協議会の会議)
第十六条 協議会は、会長が招集する。

2 協議会は、委員の半数以上の出席がなければ、会議を開くことができない。

3 協議会の譲事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは会長の決するところによる。

4 協譲会の会議は、公開とする。ただし、協議会の議決があったときは、非公開とすることができる。


(勧告及び命令)
第十七条 区長は、第五条第三項の規定に違反している事業者に対し、回収容器を設置し、又はこれを適正に管理するよう勧告することができる。

2 区長は、第九条第一項の規定に違反した者に対し、屋外広告物の撤去又は通行の安全の確保その他必要な措置を講じるよう勧告することができる。

3 区長は、第九条第三項の規定に違反した者に対し、文書図画の撤去その他必要な措置を講じるよう勧告することができる。

4 区長は、第四条第二項各号若しくは同条第四項の規定に連反した者又は同条第五項若しくは第九条第二項の規定に連反したものに対し、生活環境を著しく害していると認めるときは、期限を定めて、必要な改善その他必要な措置を命ずることができる。

5 区長は、第一項から第三項までの規定による勧告又は前項の規定による命令を受けたものが、正当な理由なくその勧告又は命令に従わないときは、その旨を公表することができる。


(委任)
第十八条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。


(罰金)
第十九条 推進モデル地区内において第四条第二項各号の規定に違反し、第十七条第四項の命令を受けてこれに従わなかった者は、五万円以下の罰金に処する。


(告発)
第二十条 前条に該当する者があるときは、区長は、これを告発するものとする。


(過料)
第二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、二万円以下の過料に処する。

 一 推進モデル地区内において第四条第二項各号の規定に連反し、生活環境を著しく害していると認められる者(次号に該当する者を除く。)
 二 第十一条第三項の規定に違反して喫煙し、又は吸い殻を捨てた者


 附 則

 1 この条例は、平成十五年十月一日から施行する。ただし、第十九条から第二十一条までの規定は、規則で定める日から施行する。

 2 杉並区附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和五十年杉並区条例第三十一号)の一部を次のように改正する。

別表中
「杉並名誉区民審議会 日額一二,〇〇〇円」 を

「杉並名誉区民審議会 日額一二,〇〇〇円
 杉並区生活安全協議会 日額一二,〇〇〇円」 に改める。


(提案理由)
生活安全及び環境美化に関し必要な事項を定める等の必要がある。

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