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先日、腕試しのつもりで「議員力検定」の議員1級ほか全級をはじめて受験してみました。
おかげさまで、すべて一発合格しました。
これを受け、さる10月17日、議員力検定議員1級の合格者が一堂に集まり、衆議院・法制局参事の正木寛也先生(法政大学准教授)、同志社大学大学院教授の新川達郎先生とともに、パネルディスカッションが行われました。 |
議員力検定「秋」講座:第1部パネルディスカッション
写真提供/@kamei_jimukyokuさん |
東京の合格者は私1人でしたが、全国各地から集まった意識の高い方々との対話は、楽しいひとときでした。議員力検定の様子は新聞にも取り上げられています。(議員力「検定」で磨け/朝日新聞10月16日夕刊など)
※当日の様子は10月25日の河北新報の記事(統一地方選前に「常識」習得 議員力検定、人気高まる)にも掲載されています
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議員力検定とは |
議員力検定は、法政大学の廣瀬克哉教授、山梨学院大学の江藤俊昭教授、同志社大学の新川達郎教授の3名が共同代表を務める「議員力検定協会」が実施しています。
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「議員力検定」との出会いは、議会事務局経由で届いた受験案内でした。
本年度に入って、今回より1級を創設した、との案内チラシを拝見し、ものは試しと受けてみたわけです。
議員力検定は、ジュニア級から始まり、議員1級まで全部で7種類のレベル別に分けられ、実施されています。ジュニア級や3級は択一式問題ですが、1級は論述問題中心の出題となっています。2級はその中間です。
議員、議員志望者、一般公務員、地域行政・議会活動に関心のある方などが多く受験されているそうです。 |
主な内容は、政治・経済・財政・法律・判例・歴史・時事政策課題など、議会政治を使いこなしていくために必要とされる知識や論述能力を確認するものとなっています。
一般の公務員試験と異なり、国会法・地方自治法・公職選挙法に関する諸問題について、比較的数多く出題されているのが特徴でしょうか。
とくに論述問題は、単に知識を知っていれば解けるというわけではなく、各自の持論を踏まえたうえで、説得力ある論述が求められる(論理性が問われる)良問だったと思います。 |
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私の場合、議員1級・2級・3級と3段階すべてを一度に受けたため、一日がかりでしたが、各自のペースに合わせて段階的に受けることも可能です。基本的に年2回実施されています。
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「学問のススメ」ならぬ「議員力検定のススメ」 |
もちろん、ペーパー試験で「議員力」を推し量ることなどできないでしょう。
しかし、いかなる議会・議員活動においても、前提となる法制度を知ったうえで、改善を提案していかなければならないわけです。その前提(現状)を理解したうえで改善案を考える努力をすることは、議員に不可欠の素養と思います。研修活動の一助として、大いに活用していくべきだろうと思います。
多くの議会では、議員の調査・研究・研修というと、すぐに視察旅行という話になることが多いのですが、私は常々それを疑問に思ってきました。
最近、地方においても、国政(議院内閣制)にならって議会内閣制を求める意見が出ています。しかし、議会・議員が今のままでは執行部側の管理職と互角に渡り合うことなど永遠にできないことでしょう。多くの管理職から笑い声が聞こえてきそうです。
執行部の行政職員は、主任主事試験・係長試験・管理職試験をはじめ、視察・研修を超えた研鑽の機会が多様に用意されています。二元代表制の一翼を担っている議員も、もはや選挙の洗礼を受けていれば、それでよしという時代ではないと思うのです。現状のままでは行政側(執行部側)との差が開くばかりです。
法律や条例は一定のルールに基づいて作成されています。たとえば、法令用語で「その他」と「その他の」は、全く意味が異なる用語ですが、それを知らずして現在の法律も条例も読み解くことはできません。
視察旅行も大事でしょう。しかし、これからは、それにとどまらない研鑽・研修を充実させていく必要があると考えています。
そのような考え方から、近年私は、宿泊を伴う公費視察旅行について、費用対効果を考慮し参加を決めるようにしています(その結果、私はかれこれ7年間、宿泊を伴う公費視察旅行には参加していません。もちろん、これはあくまで結果論であって、宿泊を伴う視察旅行そのものを否定しているわけではありません。)
一般の方にとっても、ただやみくもに議会を傍聴(議会中継を視聴)してみても、よくわからないことが数多くあると思います。このような検定の活用は、政治・行政・議会活動をチェックする基礎として、役立つかもしれません。機会があれば、自己研鑽の一助として活用してみていただければと思います。 |