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杉並区の緑被率は20.9%です。
一度失われた自然を回復させることは非常に難しいものではありますが、それでも関係各位のご努力・ご協力もあり、区内緑被率の低下傾向は改善されてきています。
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しかし、杉並のおかれた現状、とくに「ヒートアイランド現象」を改善するという観点からは、いっそう緑被率を高める努力が必要であることは間違いありません。
このままの状態では、東京の夏は灼熱地獄で非常に暮らしにくいものとなり、都市型水害も深刻化する一方となってしまうのです。
かつてのような広大な自然裸地などの回復が困難であることを考えても、新しい手段による緑化の取組が重要になっています。
★緑被率とは 緑被率=(樹木地+草地+農地+屋上緑化)÷面積
基本的に樹木や草で被われた土地のことを緑被地といいます。これを地域全体の面積に対する割合で表したものが「緑被率」です。(※一般には樹林地・草地・農地・屋上緑化を総称して緑被地とし、計算の分子に入れているようですが、なかには樹木の枝葉の投影面積や芝・草花等で覆われた部分のみを対象としている場合もあるようです。20.9%という数値は前者です) |
「20.9%」の達成水準に対して目標値が「20.0%」という怪 |
これまで杉並区では、「みどりの条例」をはじめ、みどりの維持・増加を進める政策をとってきました。
区独自の取組もさることながら、民間で緑化活動に協力する方に対しても、さまざまな政策誘導が行われており、積極的に側面支援しています。
それは、客観的事実として、杉並の住環境を維持していくためには、みどりを維持・増加させることが必要との認識が強かったためです。これについては多数の合意があるところで、現在、特段の異論は出ていません。
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ところが・・・今回発表された「みどりの基本計画」改定素案(広報では2月1日号で発表)によると、杉並区の緑被率目標は20.0%となっています。随分と古い目標値がそのままになっているのです・・・
再確認になりますが、杉並区の緑被率(最新データ)は20.9%なのです。つまり、緑被率向上のための目標数値が、現在の達成水準よりも低い値になってしまっているのです。 |
みどりを増やすことが必要と訴えながら、「現在までの達成水準より低い目標数値を掲げている」ことに、一抹の矛盾を感じるのは私だけでしょうか。
もちろん、これは誤植などではなく、区は本気で大真面目にこの数値を設定しているのです。
なお、「杉並区みどりの基本計画」改定素案は、現在、区民意見の提出手続(パブリック・コメント手続)にかけられています。
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