今後の杉並区と地域社会を考える材料 |
昨今の社会環境の変化に伴い、杉並区においても、いま各種計画の再検討・見直し作業が進められています。
とくに以下の5つの問題は、地域に与える影響も大きく、秋の議会審議でも注目されています。(概要については、以下それぞれをクリックして確認してください)
現在、これらの計画や方針の素案が、広報やホームページ上で公表され、その多くはパブリックコメント(区民意見の提出手続き)等にかけられています。ぜひ、ご意見をお寄せください。
今後の課題 |
ただ、以上の計画は、あくまで行政側の策定する任意の計画です。議会が議決したり承認したりする性質のものではありません。
実際に議決の対象となるのは、後に計画に基づいて提出される包括的な予算案や契約議案等ということになります。
杉並区議会で大きく話題になったことはありませんが、他ではこれらの行政計画についても議決対象にすべきという意見が話題になることもあります。実際、先進自治体の中には、議決対象の行政計画を増やすところも出現していますが、議会制民主主義を健全に機能させる上で、必要な改革の一つではあると思います。
|
しかし、「計画」というのは、あくまで計画です。最終決定(本契約の締結など)されたものではありません。実際には計画策定段階もさることながら、計画が具体化される段階のほうが重要であり、むしろ現状ではここを改善しなければならないと考えています。 |
その理由は・・・
たとえば、杉並区の工事を例にすると、現在のところ予定価格1億5000万円未満の工事については、工事の実施(本契約)にあたって、事前に議会の法的承認を得る必要がないという現実があります。
つまり、杉並区の予算の範囲内で、その工事を済ませることができれば、どのような工事であっても、行政の裁量の範囲で、どんどん工事を行うことができてしまうのが現在の状況なのです。
たしかに、「小さな工事の内容まで、いちいち議会の承認をとっていたら、仕事にならない」という理屈は理解できるのですが、その範囲が「1億5000万円」というのは、どんなものでしょう?
1億円規模の工事ですらも、具体的な契約内容が、一般公開された場で審議されるチャンスのほとんどないまま、内々に決まってしまう。これが現状です。
これまで妙な工事が横行してきたのも、このあたりに原因があるのです。
「計画段階で区民の意見をお聞きしました」とはいうものの、実際に施設・設備が完成してみると、「どうも使い勝手が悪い」「要らなかったんじゃないか」という話をよく耳にします。
それは計画時点もさることながら、むしろ計画を具体化させる段階で問題が発生しているケースが多いからなのです。発展途上国ならともかく、相応に成熟した民主主義国においては、行政(ごく少数の役人)に、これほど広い(執行上の)裁量を与えるべきではありません。
このため、「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」等を改正するとともに、もう一段進んだガバナンスのあり方を検討していく必要があると考えています。
行政計画は、あくまで大枠のものであり、当然のことながら計画を実現させる段階において、改めてその具体的内容を個別に検証していかなければなりません。 |