平成16年度(2004年度)がスタートしました。
本年度の杉並区予算は、区政史上初となる赤字区債の「借換債」を発行(84億円)せざるを得ないなど、これまで以上に先行きの厳しさを痛感させられる内容となっています(その他新規の赤字区債・減税補てん債は11億円発行)。
杉並区の債務も、過去最高に達しています(@区債残高+A債務負担行為現在高+B土地開発公社への債務保証の総額概算は1089億円見込に)。
区は表面的な「区債残高」については減っていると自慢していますが、区の負債(債務)は、区債だけではないということを忘れてもらっては困ります。表向きの区債残高のみに注目していても、区の財務体質を見極めることはできません。
- 借換債とは、返済時期になっても、諸事情から借金を返済することができないため、返済分をそっくり借り換えてしまうもの。赤字区債の場合は、資産形成ではなく経常経費に消えてしまっているわけで、より問題は深刻と言えます。
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通常、日常生活に困って借金をする者は、返済期限を見通し、それに見合った生活をするものです。しかし、責任感を持たないまま返済期限まで過ごす者は、安易に別のところから借金をし、それで最初の借金先に返済をしてしまいます。
これぞ「自転車操業」です。
杉並では学校施設など社会資本が確実に老朽化しており、今後さらに厳しい経営を余儀なくされることが確実です。
さて、今年度、国の債務残高は、ついに670兆1212億円と、またも過去最高を更新することが確実となりました。国税収入(見込)は、現在約40兆円ですから、ざっと1年間の国税収入の16倍以上の負債を抱えている計算になります。
構造的な問題にメスを入れ、財政規律を取り戻していくことなしに、真の問題解決はできないと改めて痛感させられる数字です。
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