おかげさまで、堀部やすしは、3回目の当選を果たすことができました。
今回の選挙戦は、たいへん激しく、また騒々しいものとなりました。
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人手不足の中、公私の諸活動に忙殺され、準備が非常に遅れたことにも悩まされました。しかし、実際の「選挙戦の騒々しさ」については、それ以上に悩まされたと言えます。
みなさんも、騒音には苦しめられたと思うのですが、候補者であった私もまた同様に苦しめられたのです。 |
とくに、今回の駅前スペースの寡占・独占ぶりは、尋常ではありませんでした。
あそこまで露骨となると、公選法第164条の6(3項)に抵触している可能性があると思いますが、どうなのでしょう?
「騒げばいいってもんじゃないだろ!」と思ったのは、私だけなのでしょうか。
●「肉声対話型の活動」に特化
そこで、今回私は、このような激しい状況変化を受け、ハンドマイクを使った演説型の活動をすべて休止しました。その代わりとして、肉声対話型の選挙活動に特化し、日々の活動を進めました。
具体的には、各ポスター掲示板の前で、実際に立ち止まってポスターを確認している方々に対し、こちらから肉声で話しかけ、じっくり対話を行いました。
たすきも掛けずに活動しましたので、お声掛けをしたときは驚かれることも多かったのですが、逆にいえば、普段着感覚でお話をすることができました。
苦肉の策で始めた活動方法でしたが、ご意見をゆっくりお聞かせいただき、結果としてはよかったと思っています。
●軽蔑されている「騒々しいだけの選挙」
ただ騒々しいだけの選挙は、多くの有権者から軽蔑されています。
そうであるにもかかわらず、ひたすら騒ぎまくるのは愚の骨頂です。これを疑問に思う議員もいるのだということは、何らかの形で示したいと考えてきました。
今回とった選挙手法も、その一環です。
私は、初挑戦の時より一貫して「宣伝カーは使用しない」という選挙スタイルを実践することで、名前の連呼をせず、政策本位の選挙活動に徹してきました。
当時、このような候補者は、他になかなか存在しませんでした。これも、言ってみれば「選挙活動なんてすべてバカ騒ぎだ」などと思われたくない一心で始めた小さな小さな実践でした。
しかし、それから10年近くが経過し、今日では、私の真似をして宣伝カーを使用しないという候補者が少しずつ増えています。とてもよい流れができてきました。本当にうれしいことです。
一人から、そして一人であっても、必要な実践を進めていくことが社会を変えていく第一歩になるのだと信じています。
この調子であれば、いずれ「選挙カー」のあり方も、大きく変わっていくことでしょう。騒々しいだけの選挙は、そう長くは続かないと信じています。
今回の私の実践も、必ずしも効率のよい選挙活動であったとは言えないのですが、名前の連呼をするより、はるかに有意義であったと感じています。
事実、不特定有権者との対話を通じて、有権者の意識が確実に変化していることを改めて実感することができました。その結果、今回は非常に地味な活動のみの選挙戦となりましたが、さまざまな発見があり、収穫は大きいものがありました。
●統一地方選の結果について
今回の統一地方選は、未来を占うに十分な結果が出てきたと思っています。
東京23区内では、無所属議員が31人も減少しました。都全体ともなると90人の減少になります。聞けば、これは歴史的な減少のようです。
もちろん、無所属といっても、実際には、政党や特定首長の推薦を受けている方、また特定代議士や都議の組織系列に属する候補も大勢いますので、それこそ千差万別です。すべて同類として論ずることはできません。
しかし、各地の結果を詳細に確認すると、そのようなスタイルで立候補していない候補、また真にindependentである議員の生き残りが確実に少なくなっていることが改めて明らかとなりました。
杉並区でも、独立系無所属候補の大半は、落選しました。
近隣においても、それは同様の情勢です。政策本位で活動していた私の知人にも落選が目立ちます。とくに精力的に活動していた練馬の野崎たかお区議が落選したことには驚きました。残念です。
投票率が4割程度では、まだまだ「地盤・看板・カバン」のある者に有利であることを実感させられます。使い古されてきた言葉ですが、「対立候補がライバルなのではなく、真のライバルは無関心である」という言葉は非常に重いものがあります。
●真のindependentとして
このような中で、私のような者が3期連続で当選するなど、従来では考えられなかったことだと思います。まぐれ当たりが3回連続で続くことは、そうそうないでしょう。
本当に有り難いことです。今後も、これまでと同様に、いかなる者にも媚びへつらうことなく、信念に忠実に活動を進めていく所存です。
というのは、議院内閣制(一元代表制)の国会と、大統領制(二元代表制)の地方議会とでは、議員が果たすべき役割は、自ずと異なるからです。
もちろん、政策提案も大切なことですが、行政(執行部)に対する議会・議員の監視機能は、さらに重要なことです。これが脆弱となってしまっては、旧赤池町や夕張市のように財政破綻しないとも限りません。
今期においても、貴重なチャンスをお与えいただいたことに感謝しつつ、「政党・ボス政治家・首長・利益団体などからの政治的支援を受けない独立系の無所属議員」という希有な特徴を活かし、真のindependentとして、自由主義的な立場から必要な役割を果たしていきたいと思っています。
なお、公職選挙法は、当選御礼の挨拶行為はもちろんのこと、当選祝賀会の開催を明確に禁止しています。「カネのかからない政治」を変えるという観点から制定されたルールだけに守るべきと考えていますので、ご理解ください。
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公職選挙法 第178条
(選挙期日後のあいさつ行為の制限) |
何人も、選挙の期日(第100条第1項から第4項までの規定により投票を行わないこととなつたときは、同条第5項の規定による告示の日)後において、当選又は落選に関し、選挙人にあいさつする目的をもつて次に掲げる行為をすることができない。
- 選挙人に対して戸別訪問をすること。
- 自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためにする信書を除くほか文書図画を頒布し又は掲示すること。
- 新聞紙又は雑誌を利用すること。
- 第151条の5に掲げる放送設備を利用して放送すること。
- 当選祝賀会その他の集会を開催すること。
- 自動車を連ね又は隊を組んで往来する等によつて気勢を張る行為をすること。
- 当選に関する答礼のため当選人の氏名又は政党その他の政治団体の名称を言い歩くこと。
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