杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線2002 2月6日

「レジ袋税」 公聴会開催を求める動議を可決

しかし、1月下旬以降、会議は紛糾。
現在、審議がストップしているため、会議の再開を強く要請しています。
 昨年より継続審議となっている「レジ袋税」。最終的に胸を張ってレジ袋税を可決できるようにするためにも、公聴会の開催を主張してきたところですが、1月15日になって、ようやく実施を決定することができました。

 しかし、公聴会の開催は、区議会史上初(23区議会に前例がない)ということもあり、公聴会の実施方法をめぐって議事が紛糾。1月下旬より会議がストップしてしまいました。

 私としては、(1)平日だけでなく土日夜間にも開催する、(2)公示・宣伝・広報手段を確保する、(3)じゅうぶんな公述人数の確保する、(4)定例会の会期延長(審議日程の確保する)などを主張していますが、難色を示されています。

 これでは審議が前進しないため、区議会委員会条例(第12条第2項)に基づき、会議の再開を請求しましたが、拒否されてしまいました。このままでは他の案件を含め、審議が遅れるばかりです。



 しかし、議会の委員会条例第12条第2項に基づいて、会議の開催請求があった場合は、会議を開かなければならないことになっています。

杉並区議会委員会条例 第12条 2 
 委員の定数の半数以上の者から委員会において審査又は調査すべき事件を示して、
招集の請求があったときは、委員長は、委員会を招集しなければならない。

 なお、現在も審議再開のメドが立たないままになっていますが、このままでは条例違反と判断せざるを得ない状況であり、困惑しています。

 今後、議会は、膨大な予算審議を控えています。このままでは、ますます結論が遠のくばかりですし、それが他の案件の審議にも影響が及んでいます。事態は深刻さを増しており、早期の解決を求めています。

 公聴会の開催を求める動議を提出

 1月15日の「レジ袋税」審議において、私は公聴会開催を求める動議を提出しました。

 幸い、動議は、ギリギリ過半数の方が賛成してくださり、レジ袋税について、公聴会が開催される(議事録に残る公式の場で、広く区民の意見を聴取・質疑する)ことが決まりました。

 すでに指摘したように、国会では、重要な歳入法案(税や公共料金に関するものなど)を定めるときは、公聴会を開く義務があります(国会法)。

 レジ袋税は、不特定多数の方が納税義務者となる日本初の法定外税であり、前例のない異例の税制です。これは、従来の法律が変わって、地方自治体も国と「対等」の立場と位置づけられ、自治体独自の税を導入することが容易になったことが背景にあります。

 住民に身近な自治体の裁量権が大きくなったのは喜ばしいことですが、しかし、それに合わせて、民主主義プロセスも、充実させなければならないのはいうまでもありません。

 新税の導入や大きな税制改正の際に公聴会を開くのは、国会では義務となっており、地方議会も、これを見習うべきというのが私の考え方です。どこに出しても恥ずかしくない公聴会を正々堂々と実施し、胸を張って新税を導入できるようにするべきでしょう。

 このような理由から、年をまたいでレジ袋税審議を続行することが決まってからというもの、私は公聴会の開催を再三にわたって主張してきました。

 この願いは全く聞き入れられず、長く放置されてきました。しかし、2月〜3月は予算審議を控えていることもあり、私としても、これ以上先延ばしをされるのは我慢の限界であり、緊急動議をかけ、なんとか開催を決定することができました。

 もっとも、賛成は、過半数ギリギリの5人。しかも、右から左まで(自民党から共産党まで)、その全員の所属会派が異なるという珍しい状況になりました。


 公聴会の開催は決定したが・・・

 しかし、喜びもつかの間。そんなうまい話はありませんでした。「蛇の道はヘビ」とはよく言ったもので、決定が決まっても、難関が待ちかまえていました。募集要領がなかなか決まらないのです。

 公聴会を開くといっても、開催を周知できなければ、公述人が集まることはありませんし、土日夜間に開催しなければ、参加したくても参加できない方も多くなってしまうことでしょう。公聴会は、各界各層から多くの公述人が集まらないことには、成功しないはずなのです。

 このため、各層の方が参加しやすいものにするためには、土日や夜間の開催が不可欠と考えましたし、それにあわせて充実した広報活動も必要だと主張したのですが・・・



 残念ながら、地方と異なり、東京には、有力な地元紙・コミュニティペーパーがありません。朝刊をみても、東京面はわずかに1〜2ページ。その少ないスペースの中で杉並のニュースが詳しく報道されるわけもありません。これはテレビやラジオのニュースも全く同じです。

 このように、東京には世界中の情報が集まってきているものの、意外にも「地域情報の過疎地」となっているのが現実です。

 それを実証するかのように、多くのみなさん(とくに現役の勤労世代のみなさん)は、区レベルの政治より、むしろ国家レベル・世界レベルの政治のほうが、お詳しいものです。

 このような状態を考えると、かなり周知努力をする必要があるとともに(周知期間の確保・多様な広報・宣伝手段の必要性)、公聴会の土日開催も必要不可欠と考えます。しかし、この点で見解を異にする方がおり、会議は紛糾しました。

 幸か不幸か、区長は、レジ税の実施時期を明示せず、すでに実施を1年以上先送りする方針を打ち出しています。

 つまり、ここで1〜2ヶ月審議に時間がかかっても、今後への影響は皆無なのです。公聴会を骨抜きにする必要性は、どこにもありません。23区内には全く前例がないことなのですから、後世の模範となるよう、しっかりした公聴会を開くことを主張しました。



 しかし、このような正論は、議会では全く通用せず、反発を買うこととなりました。


 条例(ルール)に則って、会議を招集するべきだ

 その結果、1月下旬以降、今日(2/6)まで、レジ袋税について、公式の会議が全く開かれなくなってしまいました。「多くの方に公式の場で発言できる機会を与えましょう」という程度の問題なのですが、なぜ、これほど抵抗されなければならないのか、不思議なことでした。

 2月に入っても、審議が中断したままの状態が続いていることからもわかるように、実質的な審議はまったく前進していません。

 そこで、事態を重くみた議員5人で、条例に基づく正式な「委員会開催請求書」を提出しました。

 前述したように、審議を担当する委員の半数から開催請求が出た場合は、会議を開かなければならないのが議会のルールなのです。しかし、それは無視され、2月6日現在なお会議が開かれないままの状態(会議が招集されない状態)が続いています。

 公聴会を骨抜きにしたい抵抗勢力が、審議拒否をしているとしか思えません。条例の規定を守って正々堂々と会議を開けないようでは、民主主義は否定されたも同然です。

 このように、現在もなお、開催請求期日を過ぎても、会議が招集されないままの状態が続いており、議長に仲介を要請中です。一刻も早く、委員会を開催し、委員会で決められている公聴会開催について日程を定めるよう、督励されたい・・・と申し入れています。

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