杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線 No.47


「杉並病」 監査請求その後 
今後は適切な契約を行うなど進展が!


 予算審議と重なったため、このコーナーでは詳細をお伝えしてきませんでしたが、私は、いわゆる「杉並病」に関連して、この3月に地方自治法に基づいた正式な監査請求を行っています(別サイトの「今日のみゆき」や朝日新聞の記事などで簡単に報告されています)。

 その後、先日の区議会(災害・環境問題対策特別委員会)における堀部の質疑によって、いわゆる「杉並病」に関する新展開を確認。私が監査請求で要望した点は、今後の区政に反映され、その願意は満たされることになりました。

これまでの堀部やすしの追及によって改善された点

●行政の実施する「杉並中継所環境調査」について
改 善 内 容 堀部やすしコメント

●私の質問に対する区の答弁

 
@これからは、きちんと調査結果を証明する生データを受け取ってから調査代金を払うようにする
 =契約書・仕様書の内容について改善する

 
Aこれまで実施した調査で得られた生データについては、現在入手していないが、調査委託先に提出を要請し、確実に保有する


当たり前のことだと思うのですが、これまでは、そんなことすら、きちんと実行されてこなかったのです。
調査したのに、それを裏づけする調査データを保管してなかったなんて、信じられますか?(捨てられているデータもあるのですから、困ったものです) こんなことだから、原因究明も進まなかったわけです・・・
●杉並中継所でのデータ採取や立入調査について
改 善 内 容 堀部やすしコメント

●私の質問に対する区の答弁

 これからは、住民から立入調査の希望があった場合、業務に支障のない範囲で協力するようにする

これまでは、住民が独自に立入調査やデータの採取作業を求めても、いっさい拒否されてきました。
とんでもないことです。 杉並中継所が安全だというんだったら、どんどん調査に協力するべきなのですから。

なぜ、監査請求?

 私がこの「杉並病」問題で監査請求するに至った背景は・・・ いわゆる「杉並病」の原因究明が進まないのは、その調査や情報開示に大きな問題がある・・・ との認識からでした。私が、いわば禁じ手ともいえる監査請求をするに至った趣旨をまとめると、次のようになります。

●行政側が過去に行っていた「杉並中継所環境調査」については、
 その調査を民間調査機関に委託して実施していましたが・・・

@清掃局は、調査の結果測定された「生データ」を受け取ることなく、調査代金を支払っていた。

Aその結果、行政側には調査を証明するデータが保管されておらず、こちらが執拗に調査結果を請求しても、ついに完全な情報が公開されることはなかった。

Bしかし、調査の結果得られた基礎的なデータが公開できない(存在しない)というのでは、調査結果の妥当性・正当性を立証することができないはずだ!!

C公金によって行われた調査であるにもかかわらず、その正当性・妥当性をきちんと立証できるデータが保管されていないというのは、あまりにもヘンな話。証拠隠滅の疑いすらある(事実、一部データは廃棄されてしまっていた)

Dこのように、基礎的なデータを受け取ることなく、公金を払っているのは問題これを容認するような契約書仕様書を作成しているのが問題。違法な契約の履行だから、違法支出だ)。以後は、きちんとデータを受け取り、確実に保管することを求める(適切な仕様書に基づいて契約することが必要だ)。


 要するに、これでは、いったい何のために調査をしていたのか?ということなのです。少なくない公金を使っているにもかかわらず、こんなことを許していては、「杉並病」の解決は遠くなるばかりでした。


区議会の場で、区は今後の改善を確約

 そうでなくとも、在野の識者は、環境調査の調査手法・調査対象について、疑問の声をあげています。役所の御用学者・研究者の判断に対する疑問は尽きないのですが、そうした議論を進める前に、データが完全に開示されない(それどころか、行政が規定の保存期間を守らず、勝手に捨ててしまったデータすらあるのです!)といった状態や、在野の研究者には立入調査を全く認めないという状態では、議論すら進まないのです。これを改善させるのは、それこそ議員の仕事と考え、昨年から今年にかけて、私はこの問題への取り組みに力を入れてきました。

 しかし、この間、なかなか前進がみられず、事態は改善してきませんでした。都の調査委員会の動向を伺っても、どうも最初から結論ありきで、行政のとって都合の良いデータだけを集めてきて、手前勝手な報告を出してくる予兆がありました。監査請求は、ある意味で、最後の手段でした。

 結果的には、監査請求そのものは審査に至りませんでしたが、そこで私が主張した要求が杉並区で受け入れられ、今後、それがすべて改善されることが、先日の区議会の場で確約されました。問題は、これがどのように活かされていくか、という段階に入りますが、まずは「杉並病」の解決に向けて、二歩前進することができたと胸をなで下ろしているところです。

 もっとも、このように二歩進んでも、これだけで解決できるほど、杉並中継所の問題は、簡単な問題ではありません。さらに、今後、抜本的な解決に向けて、取り組まなければならない課題は残っています。今後も、引き続き、この問題に取り組んでいきます。

●参考● 地方自治法242条に基づく住民監査請求とは?
 役人が違法(または不当な)公金支出をしたり、違法な財産処分や契約の締結・履行などを行った場合に、正式な監査を求め、具体的に必要な措置を講ずるよう要求するものです。事務監査を求める場合、杉並では約1万の署名が必要になりますが、この場合、不正を証明する証拠を提出すれば、たった1人でも請求を出すことができます。住民訴訟と同様、いわば議員・住民側がとることのできる最後の手段のひとつです。なお、東京都における昨年の監査請求件数は17件でした。
 
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