杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線 | No.39 |
平成12年度予算案 22億円の起債(うち赤字債は15億円) |
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今年も、新たな赤字借金となる減税補てん債が発行されます(15億円。なお、その他の起債も合わせると22億円になります)。歳出削減は少しずつ進んでいますが、その歩みは遅く、このままでは区長の選挙公約である「歳出の20%削減」は、達成できないことでしょう。また、歳入の確保策として、「区有財産の有効活用」を掲げていますが、それは区有地のごく一部を駐車場にするという程度で、ほとんど増収は見込めない状況です。 むろん、現在の制度的な問題をみれば、山田区長の選挙公約は、それじたい無理のある公約だったともいえます。しかし、公約実現のために、生死をかけてドラスティックな「現状改革」を行うことを期待した私としては、これを黙って見過ごすことはできませんので、予算議会である今期の定例会では、この点について区長の見解を質す予定です。 ところで、昨日、ムーディーズは、日本国債の格付けをさらに下げる方向で検討していると発表しました。日本全体の公的債務の拡大がその大きな理由だとしています。もちろん、その割を食うのは、いまの若年層、子ども・孫の世代です。数少ない20代議員として、将来にツケを残す形になる借金体質の財政運営には、きびしい姿勢でチェックしていきたいと思っています(ちなみに、山田宏区長は、国会議員時代に財政均衡法案を提出したことで知られる均衡財政論者だったのですが・・・)。 |
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さて、予算案は、従来よりも厳しい歳出削減を実行する方向が打ち出されていますが、それでも、予算規模は拡大しています。それは、
といった理由があげられます。これにあわせて、調整3税は、その52%が区に配分されるということで、いったん都と区で合意されました(従来は44%)。
本来、広域対応しなければ対応できないはずのゴミ処理まで23区に移管するのなら、その他の事業や財源も23区に譲ってくれればいいのですが、実現にはまだ程遠い段階です。 とはいえ、東京都の財政状況は、23区よりもはるかに悪くなっています。もし、これ以上悪化して、「財政再建団体」と認定されてしまえば、自治省に管理され、思うように借金もできなくなってしまうわけですから、コトは深刻です。借金でやりくりしている現在のお役所で、借金ができなくなれば、福祉も教育も大幅なレベルダウンは免れませんし、そんな意味でも、都は簡単には財源(調整3税)を手放さないことでしょう。 もっとも、都が財源を手放すとなれば、今度は都のお荷物施設なども同時に23区に押しつけてくる(都の失政の尻拭いを区にさせる)可能性があり、そうそう喜んでばかりもいられないと思いますが・・・というわけで、景気がよくなれば財政再建できるというようなノー天気なことを言っていられる状況ではないはずなのです。私は、今後も議会で徹底した歳出削減を求めていきます。 |
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さて、新年度の主な事業は、今後少しずつ取り上げていくとして、今日は、まず歳入歳出の概要をみていきましょう。歳入確保策にも、歳出内容にも多くの問題点があり、今後、一般質問や予算特別委員会の場でそれを明らかにしていく予定です。 |
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●歳入(一般会計)の内訳は、特別区税が約 538億円、特別区財政交付金が約 268億円、国都支出金など特定財源が約 338億円、減税補てん債(赤字債)が約15億円、などとなっています。 ●歳出(一般会計)のうち、職員人件費が約 443億円、既定事業が約 697億円、公債費が約 92億円となっています。 ◆一般会計に占める職員人件費の割合は約3割ですが、これは区税収入の約8割(財調交付金をいれても約5,5割)に相当しています。
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