杉並区議会議員(無所属) 堀部やすし最前線 No.36


フロッピーの中身は非公開?!

 区議会の情報公開条例(案)


 このホームページの中では、話題にしてきませんでしたが、昨年より、杉並区議会には「議会運営検討協議会」なるものが存在しています。

 これまでのところ、この検討協議会では、

  @議会独自の情報公開条例をつくる、
  A議員に毎回厳しい質問時間制限を設ける、
  B予算や決算特別委員会の構成メンバーを減らす(現在は議員全員参加)

 ・・・といったような、新しい議会運営のルールをつくるために作られた協議会であるという話が漏れ伝わってきています。

 漏れ伝わってきている・・・としか書けないのは、この検討協議会が、非公開で開かれているからです。検討協議会は、議会の多数会派(自民・民主・公明・共産などの交渉会派)の代表によって構成されているのですが、区民はおろか、一般議員ですら一切傍聴できない秘密会となっているのです。もちろん、その内容の多くも、箝口令が敷かれているためか、いったい何を検討しているのやら、その詳細はほとんど不明のままになっていました。

 議会の情報公開を話し合う場が非公開というのも、ずいぶんヘンな話ですが(この顛末は、いずれ書くとしますが)、今回、一つの成果が明らかになり、私にも意見を明らかにするよう求められましたので、今回はそれを報告しましょう。


子情報の取り扱い

  これまで杉並区議会は、議会の傍聴だけでなく、その議事録(会議録)の公開も進められており、現在では各区立図書館でも、これが閲覧できるようになっています。しかし、こうした情報公開を明確に規定した区議会独自の情報公開条例がなかったため、この制定が区民から求められていました。

 今回、検討協議会から提示された条例案には問題も多く、そのすべてを良しとするわけではありませんが、区民の「知る権利」を保障する内容が盛り込まれているという点で、現在の杉並区の情報公開条例よりは、一歩進んだ内容になっています。なによりも、早期に条例という形で明文化するということが重要であることからも、多くを要望せず、とくに問題であると考える一点のみについて、意見要望書を提出しました。

 その要望とは、電子情報に関する点です。現在の条例案のままでは、紙に打ち出されていない情報(コンピュータ内の情報や、フロッピーディスクなどに収容されている情報)は、公開対象外となってしまうのです。詳細は、以下の意見要望書でご確認ください。



杉並区議会情報公開条例(案)に対する意見要望

杉並区議会議員 堀部やすし


 1月24日に区議会事務局より、交渉会派6会派の検討の結果、議会の情報公開条例案がまとまったとの報告を受けました。そこで、この問題について討議される1月28日の議会運営検討協議会を前に、取り急ぎ、意見要望を提出させていただきます。

 今回の条例案は、区民の「知る権利」を保障したという点において、たいへんな進歩であると思っております。その実、個人的には内容に満足しているわけではありませんが、早期に議会としての情報公開条例を制定する必要があるという意味においては、大筋でこれを認めていきたいと考えているところです。

 しかしながら、時代の流れを鑑みて、一点、強く改善を要望させていただきたいと思っております。あえて要望は一点だけに絞りましたので、この件につきましては、何卒、検討協議会の場でご議論くださいますよう、お願い申し上げます。

 なお、議案は近く上程されると伺っております。この問題を取り上げてきた「議会運営検討協議会」は非公開であり、一人会派である私の参加も許されていない状況であることをお酌み取りいただきまして、別途に本会議の場にて、質疑および意見表明をお許しいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。


 ■要望■

 開示情報に電子情報(電磁的記録)を含めること。また、同時に磁気ディスク等による写しの交付を盛り込むこと。


 昨今の高度情報化の進展は著しく、これを受けて、フロッピーディスクやCD-ROM、インターネット等電子メディアによる情報の配布・取得・保存が徐々に一般化しつつあります。おそらく、21世紀を迎える今年から来年にかけて、この流れは飛躍的に進展をみせることでありましょう。

 すでに、現在でも、パソコンやワープロが普及し、フロッピーディスクやハードディスクの使用が、日常的なものとなっております。今後、さらに電磁的記録という形で保存される情報が増えることを考えますと、開示される情報に電子情報(電磁的記録)が含まれていないことは、時代の流れに合致しておらず、残念なことです。

 実際に、この1月より施行された新しい東京都情報公開条例や、昨年制定された国の情報公開法においても、電子情報(電磁的記録)を公開対象としており、また同時に磁気ディスクによる写しの交付を規定しています。

 というのも、これは、請求者の利便性・経済性の向上だけでなく、現場の職員みなさんにとっても、負担が軽減されることになるからです。磁気ディスク等による交付であれば、公開情報に含まれる非開示部分も実に容易に消し去ることができますし、大量の文書請求に対する煩雑な事務作業も軽減することができます。つまり、行革の流れにも適うものなのです。

 このような時代の流れに対応し、開示情報のなかに電子情報(電磁的記録)を含め、また、同時に磁気ディスク等による写しの交付を条文に盛り込んでいただきますよう、強く要望いたします。


以 上
 
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