改正地方公務員法23条の2は、公務員の人事評価が「任命権者」 の権限であることを明確にしています。
同条は平成28年(2016年)4月1日に施行されました。
監査事務局長の任命権者は「代表監査委員」です(地方自治法200条5項/地方公務員法6条ほか)。議会事務局長の任命権者も「議会の議長」 です(地方自治法138条5項/地方公務員法6条ほか)。
区長/副区長が、監査事務局や議会事務局における個別の人事評価に直接介入することは、地方自治法が定める「監査の独立性」や 「二元代表制」を否定する行為で、 完全に違法です。
権限のない者が行った人事評価の結果に基づいて給与その他の勤務条件が変動しているとなれば、 そこには不適法支出の疑いも生じます。
人事管理の基礎となる人事評価が任命権者の権限であることは法定事項なのです(地方公務員法6条、23条、23条の2及び23条の3)。
人事評価の結果が給与その他の勤務条件に影響を与えるからには、その評価は適法かつ公正に行われる必要があります。
ところが、杉並では、区長/副区長による個別直接介入を可能とする内規(杉並区職員人事評価規程・平成28年4月1日訓令第27号)を温存させてきたのです。
監査の独立性や二元代表制は実 質的には確立されておらず、田中区長が人事評価を通じて監査や議会を間接的にコントロールしている核心がここにあります。
区長のイエスマンが杉並区政において幅を利かせている現状は、このような背景と無関係の話ではないのです。
堀部やすしはコンプライアンスを無視した区政経営を厳しく監視し是正させる活動を進めています。本件についても抜本的改善が図られない場合は、法的手段を辞さず対応していかなければなりません。
実効ある「内部統制」の構築が重要視されている時代に、いつまで時代錯誤なことを続けているのか、見識が問われます。
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2019.1
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