3)【災害】自治体間交流と災害時相互援助
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自治体スクラム会議/協定先は、いずれも小規模自治体 2011年4月、東日本大震災の発生を契機に、杉並区が中心となって「自治体スクラム支援会議」が発足しました。 自治体間の水平的な相互連携による新たな支援の仕組みとして、①福島県南相馬市、②群馬県東吾妻町、③新潟県小千谷市、④北海道名寄市の4自治体と、杉並区との間で発足させたものです。その後、⑤福島県北塩原村、⑥東京都青梅市が加わりました。 杉並区も、小千谷市(新潟県中越地震)、南相馬市(東日本大震災)には職員を現地に派遣して応援してきましたし、災害時の「相互援助」を実のあるものにする意味で、意義のある活動と思います。 耐震改修の促進、不燃化特区制度の導入など、ハード面での減災・防災の取り組みは少しずつ前進しているものの、このようなハード面の取り組みのみで課題を解決することは容易ではありません。そこで、このようなソフト面での対応が重要になっています。 しかし、杉並区の交流自治体(災害時相互援助協定の締結先)は、いずれも東日本の自治体で、かつ、人口規模の小さな自治体ばかりとなっています。 このため、首都直下地震などが発生した際に、どの程度機能するのか、課題があるのです。
これについて、杉並区は、人口や財政規模のみでは論じられない問題であると述べるとともに、受援計画をつくったことで取り組みが前進している旨、説明しています。 しかし、相手方の自治体の状況を確認すると、いずれも職員の数は少なく、高齢化も進んでいることがわかります。 各種データをを確認しても、首都直下地震で被災した場合、東日本全体が影響を受けるというべきで、現状に課題があることは否めない事実というべきです。 田中区政の8年間は、地方創生事業、交流事業などについて幅が広がり、小笠原、南伊豆、台湾と、その交流範囲とともに、内容も深まりました。次は、災害時の「相互援助」についても同様に取り組みを進めていなければなりません。 杉並区の人口は約57万人であり、現在交流先の自治体とは規模が全く異なります(杉並区の人口は、鳥取県と同規模です)。 杉並区側が被災した場合を考えると、もう少し規模の大きな自治体との災害時相互援助の仕組みが必要であること、また、中日本から西日本に交流先がないといった課題を解決していく必要があります。 |
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南伊豆町版CCRCと杉並区 杉並区の補助により、静岡県南伊豆町に特別養護老人ホームが整備されました(その法的課題については、議会で取り上げていますが、それはここの本題ではないので割愛します)。 さらに、いま、ここに杉並区が有する区有地(旧・南伊豆健康学園跡地)を利用した「南伊豆町版CCRC」を整備する構想が具体的に動き出しています。 昨年、南伊豆町生涯活躍のまち「南伊豆の大学づくりプロジェクト」が、地域再生法に基づく地域再生計画の認定を受けました。計画期間は2022年3月末までで、南伊豆町の全域が対象となっています。 この地域再生計画を確認すると、その第3期において、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の整備に取り組むとあり、2022年度からの供用開始が予定されているところです。 閉鎖した共立湊病院跡地に整備される「生涯活躍のまちの拠点となる交流施設」の近くに建設されることが計画化されており、これは区有地である旧南伊豆健康学園跡地の活用が念頭に置かれていることがわかります。 南伊豆町を含む賀茂地域には、特養老人ホームこそ整備されているものの、いわゆる有料老人ホームも、サ高住もないことから、杉並区民の移住に一定の期待があるようです。
特養老人ホームも、これが理由で、区有地での整備を回避し、町内の別の場所に整備したわけです。 サ高住もまた、状況によっては要介護・要支援高齢者の住まいとなる可能性があることから、サ高住建設目的での用地提供についても慎重に考えなければなりませんが、杉並区は言葉を濁しています。 |
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新たな「天下り」先になっている交流自治体 この南伊豆町版CCRCについては、杉並区退職後に天下り「南伊豆町政策アドバイザー」に就任した元・副区長が助言を行っています。
静岡県南伊豆町は、山を越え、谷を越え、杉並区から片道4時間・往復8時間かかる遠方です。人口はピーク時の約半数に減少していることから無医地区もあり、過疎地域指定を受けています。 なぜ、元・副区長は、退職後、このような町から報酬を受けることができたのでしょうか。 杉並区は、この南伊豆に多額の補助金を入れ、前例のない区域外特養(特養老人ホーム)を建設しました。 特養の建設により、現地では新たな雇用が生まれていますが、これも杉並区からの保険給付や運営補助に基づくものです。このことと何も関係がないのでしょうか。 杉並区は、通常の(区内における)特養建設よりも、はるかに多くの補助金を支払って静岡県南伊豆町に特養を整備したとはいえ、それは「天下り先」などを確保するためのものではないはずです。 なお、東京都知事選挙(落選)の直後、突然「杉並区顧問」に就任し、月額固定報酬を受けている増田寛也氏も、同様にこの構想を推進しています。 |
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