なぜ?東京都知事選に落選したばかりの増田寛也氏が「杉並区顧問」に就任/杉並区議会議員(無所属)堀部やすし
平成28年(2016年)9月25日 
 
高円寺駅北口で増田寛也候補の応援をする田中良区長
高円寺駅北口で増田寛也候補の応援をする田中良区長
(7月29日撮影)
 東京都知事選に落選したばかりの増田寛也氏が、なんと「杉並区顧問」に就任しました。驚きが広がっています。

 写真上は、選挙中、田中良杉並区長(元・民主党都議)が増田ひろや候補(自民党推薦)の選挙応援をしているシーン、写真下は「杉並区顧問」就任時の様子です。

 今回の顧問就任については「自ら応援した候補者を、杉並区に再就職させる公私混同」「せっかく落選させることができたのに、なぜ選挙直後に杉並区が招き入れるのか」といった強い調子の抗議が届いています。


 東京新聞:杉並区の顧問に増田元総務相
 日本経済新聞:杉並区顧問に増田元総務相


 なぜ、田中区長は、都知事選(落選)直後のタイミングで、増田寛也氏を「杉並区顧問」に迎え入れたのでしょうか。
東京都知事選に落選したばかりの増田寛也氏を杉並区顧問に委嘱する田中良区長
増田寛也氏を杉並区顧問に委嘱する田中良区長
(9月5日杉並区公式ホームページより)
 増田氏については、その独特な「地方創生」論をはじめ、北海道や神戸などの顧問職を維持したまま東京都知事選挙に立候補していたことなど、選挙当時からいくつかの疑問がありました。

 増田氏の過去の「東京都の財源を召し上げる主張」と「東京都の財産を守るべき都知事の立場」が両立し得ないように、 東京都の利害と北海道や神戸の利害もまた両立し得ないケースが出てきます。

 これまでの経緯を踏まえると、どこか地方都市の顧問に就任されるならともかく、東京都政や杉並区政に関与されるには課題が多いと言わざるを得ないのです。


 すでに、杉並区は、静岡県南伊豆町に建設中の特養老人ホームに多額の補助金を入れています。
広報すぎなみ(9月21日号)3ページ
広報すぎなみ(9月21日号)3ページ
 通常であれば、東京都が負担する建設助成なども区が負担する(区内整備の場合には都負担となっている部分についても、あえて杉並区が負担する)ことになっています。

 しかし、ここが「広域型特養」である以上、本来これは県&町も応分の負担をすべきものでした。ここにも増田氏は関与しています。

 参考までに、杉並区の元副区長が、南伊豆町の「政策アドバイザー」に就任し、町から報酬を受けていたことも明らかになっています。
 静岡県南伊豆町は、山を越え、谷を越え、杉並区から片道4時間/往復8時間かかる遠方です。


 さて、前回2013年の東京都議選は、逆風を受けた民主党が「共倒れ」/候補者2人ともに落選の結果に終わっています(杉並区)。

 田中区長(元・民主党都議)は、絶妙のタイミングで、杉並区長に転身したわけです。

 石原伸晃代議士が東京都連会長を務める自民党推薦で落選した増田寛也候補を、都知事選の直後に「杉並区顧問」として迎え入れたのも、この文脈で考えるとわかりやすいかもしれませんね。
 顧問報酬(月額35万円)は、お辞めになった東京電力の役員報酬に比べれば少額との判断かもしれませんが、これは杉並区の当初予算には見込まれていなかったものであり、かつ、今回の補正予算への計上もありません。したがって、現在の生活経済費のなかから遣り繰りする形で(流用することにより)対応することになります。

 2期目の田中区政も「迷走」続きですが、引き続き厳しい姿勢でチェックし、牽制していきます。
杉並区議会議員(無所属)堀部 やすし


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