大手建設コンサルタントのパシフィック・コンサルタンツは、近年たびたび家宅捜索を受けるなど、入札談合や各種犯罪への関与が取り沙汰されてきました。
ごく最近でもPCI事件という形で、その一端が報道されています(贈賄・詐欺・脱税・特別背任など)。私も早くから注目し、そのゆくえを追ってきました。
杉並区は、過去10年の間に、当該企業との間で8件の契約を締結しています。そのうち5件が随意契約です。
杉並区もまた当該企業グループと浅からぬ関係にあります。
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なかでも杉並公会堂PFI事業(契約額261億円超/杉並区による債務負担行為は290億円超)のアドバイザーが、パシフィックコンサルタンツであったことは忘れてはなりません。
このとき、杉並区は、他のコンサルから何ら提案や見積を受けることなく、特命随意契約によって、パシフィックコンサルタンツをアドバイザーに選定していたのです。 |
この事業による重い財政負担などについては繰り返し指摘してきたところですが、杉並公会堂PFI事業における準備作業の大半は、このパシフィックコンサルタンツが取り仕切っていたも同然の状態にありました。
以前より、建設コンサルタントが談合の結節点となっていたケースが問題視されてきました。建設コンサルタントが行った再委託状況等々について、いまこそ徹底した追跡調査が必要です。
- なお、杉並公会堂PFI事業については、入札直前に他社がすべて入札を辞退するという異例の状況を経て契約に至っているが、その事業の全貌もまた非常に問題の多いものであった。(参考)新・杉並公会堂の建設を考える 【討論報告】など参照
PCI事件は対岸の火事ではありません。
逮捕・起訴された荒木民生(パシフィックコンサルタンツをはじめグループ各社の取締役を経験)の容疑について確認すると、荒木民生は、平成13年以降、子会社との架空取引などを通じ不正経理に手を染めていたことが明らかになっています。
東京地検特捜部の取調べに対し、同グループの元社員の複数が、「裏金捻出目的で事業費を水増し請求した」と供述していることなどが報じられています。荒木民生をはじめとするグループの関係者が、これによって政界等への工作資金を捻出していた疑いはますます強まっており、いまなお捜査が続いています。
ちなみに、パシフィックコンサルタンツが、杉並公会堂PFI事業に関するアドバイザリー業務を受託していたのは平成13年から平成15年です。
この時期は、荒木民生が当該企業の代表取締役社長に就任していた期間とピタリと一致しています。
この問題は6月の土曜議会において解説を加えつつ追及しています。お時間があれば、ぜひ以下の杉並区議会公式サイトにて動画映像(インターネット中継)をご覧ください。
http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/20-02/200614.htm
内容 パシフィックコンサルタンツグループによる談合・詐欺事件等を受けて
(1) 杉並区とパシフィックコンサルタンツ
(2) 杉並公会堂PFI事業とパシフィックコンサルタンツ
(3) 事業実施におけるコンサルタント選定のあり方 その他
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