東京都と東京23区は共同で、路上生活者のための(1)緊急一時保護センターと、(2)自立支援センターを設置しています。
(1)緊急一時保護センターとは、路上生活者を一時的に保護し、心身の健康回復を図るための施設です。(2)は、そのうち就労意欲のある人に対し、生活支援等を行い、就労自立をサポートする施設です(入所は原則2ヶ月間)。
もちろん、杉並区にとっても、他人事ではありません。杉並区でも、都区協定によって、(2)を設置しなければならない段階に入りました。
東京の場合は、とくに路上生活者が多く、単独の自治体だけで対応するには限界があります。また、このような施設は、いわば迷惑施設扱いとなってしまっています。このため、住宅が密集する23区内において、同一の場所に恒久的に施設を設置するといっても、なかなか周辺住民の理解は得られません。
いうまでもなく、杉並区においても、これまで区内の路上生活者を区外の緊急一時保護センターなどに入所を進めてきたわけです。
しかし、いつまでも特定の区の敷地に、このような施設の設置を押しつけておくわけにはいかず、各区は交代で施設を(時限的に)設置することになっているわけです。
東京23区第4ブロック(豊島・板橋・練馬・中野・杉並)で言えば、これまで豊島区に自立支援センター豊島寮が設置されていましたが、その後継施設は、都区協定に基づき、杉並区内に設置することになっています(平成18年2月から5年間運営する責務を負っています)。
なお、第4ブロックの緊急一時保護センターは、現在、板橋区に設置されています。
具体的な場所の検討は、これからです。5年間という時限施設であることを考えれば、新たなスペースを確保したり、新規の建物を建設することは考えられませんが、それでも50〜70人を収容する生活施設を設置するとなると、話はそう簡単ではありません。
他区では公有地の一部を使ってプレハブを建てたり、既存施設を有効活用したりすることで対応するケースが多くなっています。また、民間が運営する宿泊所を借上げて開設した例もあります。
しかし、あくまで杉並の地域事情を考えた上で、どのような場所で、どのような施設を整備するのが適切かを考えていかなければなりません。
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