スマートすぎなみ計画は、行財政改革に関する計画で、「行財政改革大綱」と「行財政改革実施プラン」に分かれています。
杉並区でも、厳しい社会環境をふまえ、強固な財政基盤の確立をめざし、経営改革を進める必要がありますが、そのための具体的な内容を示すものです。
たとえば、行財政改革の数値目標として、次のような目標が掲げられています。
【1】 経営改革の目標 |
平成22年度までに区の仕事の6割をNPOとの協働や民営化・民間委託で実施する。 |
【2】 財政健全化の目標 |
今後6か年で強固な財政基盤を築くために、財政構造の弾力性指標を表わす「経常収支比率」を平成22年度までに80%とする。 |
【3】 職員定数の削減の目標 (平成12年度比) |
より簡素で効率的な組織機構を整備し、小さくても力のある区役所を実現するため、平成22年度までに職員定数を1,000人削減する。 |
【2】と【3】は、改定前のスマートすぎなみ計画に掲げられていた目標をそのまま踏襲したものであり、新しく具体化されたのは【1】です。
これらの目標は、概ね実現可能な数値と思います。ただし、財政再建の道のりは、杉並公会堂PFI事業のように、現在の負担よりも徐々に高年度負担が重くのしかかってくる事業の存在があることからも、長期的には予断を許しません。
杉並公会堂PFI事業のように、短期的に財政問題を発生させないことを優先するあまり長期的な視点を見誤る(多選自粛で3期までと決めてしまっている区長が、その任期中にボロが出ないよう課題や債務を上手に先送りする)ことのないよう、注意しなければなりません。
何度も言っていますが、杉並区は、区債残高が減っても、それ以上の債務負担行為を既に設定してしまっているわけで、事実上区の債務(区の固定負債)は増えているも同然なのです。
また、国においては、道路公団や郵政民営化などの中途半端な改革が話題になっています。杉並区においても、これと同じように、形の上だけ民営化を達成すればサマになるという程度の改革をしてしまえば、むしろ逆効果になってしまいます。こうした手法や内容が発生しないよう、注意していく必要があります。
|