7.公的年金は賦課方式(税方式)で あとは401kに |
海外でも、少子高齢化が進んでいる国では、何度も年金制度改正を余儀なくされていたり、高率の消費税を導入せざるを得ないなど、年金制度は先進国共通の悩みの種となっているようである。
これら経験をふまえれば、世界一高齢化の速度が速い日本において、足して2で割るような方法をとって改革を進めても、うまくいくはずがない。その意味では、今回の政府の年金制度改正案には、とても賛成できない。
まず、改革は、年金制度をシンプルにすることを基本にしなければならない。
現在の年金制度は「修正積立方式」であり、複雑さが増している。つまり、事実上は「賦課方式」になっているというのに、「積立方式」が残っているので、その積立部分を悪用して官僚が私欲を満たしたり、好き勝手な資金運用を許してしまっているのである(しかも、せっかくの積立金も、融資先は不良債権の山である)。ここにメスを入れなければ、真の改革とはならない。
国は基礎年金を保障することだけを仕事にし、それを超える部分の年金資金の運用については、個々の国民の自主性に委ねる形に完全移行すべきだと思う(日本にも確定拠出型年金(日本型401k)があるが、現在の制度では第3号の専業主婦や公務員は401kを選択できない)。このルールなら、当然、現在のような特権的な国会議員年金も廃止となる。
基礎年金部分(国民年金部分)は、賦課方式に変える。保険か税方式かはよく議論しなければならないが、第3号のサラリーマンの妻問題や未納問題を考えると、税方式のほうが私は良いと考える(ただし、税方式にするなら、その前に公平な消費税制を実現するため、インボイスの導入など抜本改正を急ぐべきである)。
その場合、現在のような大規模な積立金は解消し、一部の準備金を残すのみになる(ここで特殊法人への融資=不良債権をしっかり整理して、未来にツケを残さないことが大事だ)。こうして社会主義的な官僚の利権を完全に断ち切る。
最近では、消費税増税が視野に入っている時代なのだから、これぐらいの荒療治をして痛み分けをしないと、とても納得してはもらえないはずだ。こうした全く新しい制度設計のもとで、一から年金制度を作り直していく(基本的には年金一元化)しか道はないと思う。
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